日本の季節を感じる区切りは、立春、春分の日、立夏・・・などありますが、6月になると「夏至」が訪れますね。
夏と書きますが、日本ではちょうど梅雨の真っただ中。暑さはまだあまり感じられない季節でちょっと変な感じです。
夏至は「一年中で昼が最も長い日」として誰もが知っていますが、それ以外にはあまり知られてないのではないでしょうか。
夏至も調べてみると、関連するいろいろな話があります。そんな夏至のことをより知って楽しめる雑学をまとめてみました。
その前に「そもそも2023年の夏至はいつ?」ということですが・・・
はい。今年2023年の夏至は 6月21日(水)でした。
ちなみに来年2024年も、6月21日です。来年は金曜日ですね。
(参考:国立天文台 暦計算室 令和5年暦要項、令和6年暦要項)
後述しますが、夏至の日は一定でなく、年によって変わります。
雑学1 夏至の日ってそもそもどういう日? 3つの定義とは
夏至はもともと天文学的なところから割り出されたものです。
夏至は太陽が夏至点を通過する「瞬間」のことであり、その夏至の瞬間を含む日が「夏至の日」です。(夏至点については次の項でご説明します)
さらに、二十四節気で言えば、夏至という「期間」のことも言います(約15日間です)。
混乱しますね(笑)(^_^;
今年の夏至の瞬間は、2023年6月21日(水)午後11時58分で、そのため6月21日が「夏至の日」となります。
※夏至点通過時刻は「国立天文台 暦計算室 令和5年(2023)暦要項」より引用
※来年2024年の夏至は、2024年6月21日(金)午前5時51分です。
紛らわしいのですが、ひとつの言葉に「瞬間」「日」「期間」の3つの定義があるというのは面白いなと思います。
雑学2 夏至の日は一定ではない?
はい。年によって微妙に異なります。
ちなみに、令和3年・4年・5年と6月21日ですが、その前に6月22日だった年もあります。
これは前の項でお話しした「夏至の瞬間」が一定でないことから来ています。
冬至や立春の記事でも使っていますが、この図をご覧ください。
地球を中心と考えた大宇宙を「天球」と言いますがその天球と太陽の動き(黄道)を表わした図です。
細かい説明は省きますが「夏至点」は「春分点」「秋分点」「冬至点」と図のような関係になります。
※天球図については冬至の記事でもう少し細かく説明しましたのでよろしければ参照してください。
旧暦では、春分点を0度として、角度で表わすことが多いのですが(太陽黄経何度と言います)、夏至は「太陽黄経90度」ということになります。
太陽が黄道上を一周するのに必要な時間(期間)は365.242…と、ぴったり365日ではないのでずれが起きます。それに伴って、「90度になる瞬間」も年によって微妙に変わることになります。
夏至の日は「夏至の瞬間(90度になる瞬間)が入っている日」ですから、夏至の日が変わってくるということになります。
雑学3 一年で日の出が一番早い、日の入りが一番遅い・・わけじゃない?
夏至は北半球では一年で昼間がいちばん長い日です。それは間違いないのですが、日の出が一番早いわけでも、日の入りがいちばん遅いわけでもありません。
日の出が一番早いのは、夏至の1週間前頃。日の入りがいちばん遅いのは、夏至の1週間後くらいになります。意外ですね(^_^;
雑学4 夏至の日にはどんなお祭りがある?
海外では夏至のお祭りが盛んな国もあるのですが、日本では夏至のお祭りはあまりありません。
そんな中、三重県伊勢市の「二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)」は夏至祭で有名です。
二見興玉神社は、伊勢市の二見浦にある2つの岩「夫婦岩」のところにある神社です。毎年夏至の日に、夫婦岩の真ん中から朝日が差してくる時間に、禊の行事が行われます。(前日午後にも行事があります)
動画がありましたので共有させてもらいます。
白装束の人たちが祝詞をあげ、そして海に入っていきます。
夏至祭(本殿) 6月18日(日)? 早朝3:30
禊修法(夫婦岩付近) 6月18日(日)? 4:30から約1時間
※開催された年は参加募集は4月1日からでした。
電話 0596-43-2020 伊勢市二見町江575
雑学5 夏至には何を食べる?
夏至の日に特定のものを食べたりお供えする習慣が地域によって残っています。
- 名古屋尾張地方・・・いちじく田楽を食べる
- 大阪の一部・・・タコを食べる
- 関東での一部・・・新小麦で作った焼き餅をお供えする
雑学6 夏至の日は恋人の日?〈海外の夏至祭〉
北ヨーロッパの国々では、夏至の日は特別なパワーのある日としてお祝いするところが多く、特に「恋の魔法の日」と考えるところも多いようです。
- スウェーデン
夏至の夜に、れんげ草、デイジーなどの7つの野草を、枕の下に入れて眠ると、夢で将来のだんな様に会えると言われています。 - ギリシャの北地方
同じように、独身女性が自分の持ち物を無花果の木の下に置くと、夢で将来のだんな様の夢と会えるそうです。
いい初夢を見るために、七福神の絵を枕の下に入れて寝るという日本の習慣とどこかにていて面白いですね。 - フィンランド
夏至祭は「ユハンヌス」という祝日で、お祭りもあるし、家族や恋人と旅行をする人も多いとか。 - <ポーランド
「イワン・クパーラの日」と言われ、独身男女が恋に落ちる日とされています。 - イギリスの一部地域
男の神様と女の神様の出会いを祝うお祭りがあるそうです。
日本ではバレンタインデーやクリスマスイブが恋人たちの日のような感じになっていますが、ところ変われば・・で、面白いものですね。
終わりに
夏至も調べていくといろいろなことがあるものです。
「昼がいちばん長い日」というだけでなく、北ヨーロッパ風に、恋人たちに特別なパワーがある日と思うのも面白いですね。今風に言えば「婚活の日?」(笑)
日本では梅雨の最中ですが、そんなことも思いながら楽しく過ごしたいものです。
よろしければ二十四節気の他の日の記事もご覧ください。
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