3月下旬になると「春分の日」がやってきます。
同じ「春」の文字が入っていますが、「立春」は2月の始め。春というにはあまりにも寒い時期です。それに比べると春分の日はだいぶ暖かくなってきて、日差しもだいぶ強くなり、「春」を実感できる頃です。
そういえば、「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉もありますね。春のお彼岸は春分の日を中心にその前後7日間です。
春分の日は年によって日にちがずれます。2023年の春分の日は何日なのか? そして春分の日にまつわる雑学を5つ集めてみました。
2023年、春分の日はいつ?
2023年の春分の日は3月21日(火・祝)です。
俗に「祝日法」と言われる法律によって、天文学上の太陽が「春分点」に来る日が春分の日と定められています。
太陽の動きは正確に1年で1周ではありませんから、年によって春分点がずれます(=春分の日がずれます)。
ちなみに、
2021年は3月20日
2022年が3月21日
そして今年2023年は3月21日 と、微妙に違いがあります。
春分の雑学1: そもそも春分の日ってなに?春分点って?
前の項でも少し言葉を出してしまいましたが、「春分」は天文学で太陽が春分点に来た「時刻」で、春分の日は「その日」を言います。
また、「春分」という言葉には、二十四節気の一つの「期間」としての意味合いもあります。(この記事最後の二十四節気の項をご覧ください)
春分点というのは・・・
下の天球図をご覧ください。
中央地球の少し下の赤い丸。地球を中心に考えて、太陽がぐるりと軌道を描いている道(黄道)と天の赤道が交差するのが2ヵ所あります。そののうち、南から北へ交わる方の点が「春分点」です。
この春分点を地球から見て「太陽黄経0度」として、夏至や冬至、秋分などが決まっていきます。ですから二十四節気の全ての起点とも言えます。
天文学的には「春分」はこの点を太陽が過ぎる「瞬間」のことを言うので、何日の何時何分何秒ということになります。
ちなみに2023年の春分点通過時刻は、3月21日午前6時24分41秒です。
(参考:国立天文台 暦計算室 令和5年暦要項)
(参考:「春分・秋分点通過日時の計算」 )
春分の雑学2: 春分の日は昼と夜が同じ長さってほんと?
私もそう思っていたんですが、調べてみると「ほぼ同じ」が正解でした。
実際には昼の方が若干長くなるそうです。どのくらいというと、平均で約14分昼が長い。
この説明は難しくて、正直私も上手くお伝えできませんが、以下の4つの理由だそうです。
1)大気による屈折
大気の屈折で、太陽は我々が見ているのより実際は少し下にあるのだそうです。その誤差の角度の分、日の出が早く、日の入りが遅い。(約2分20秒差)
2)太陽を見る時の太陽の半径分
日の出・日の入りは太陽の上端が地平線に合った時。なので太陽の半径の分、日の出が早く、日の入りが遅くなる(約1分5秒差)
3)日周視差
太陽との「日周視差」とは、地球の表面から太陽を測った距離と、地球の中心から測った時の差だそうですが、それがどうして日の出日の入りと関係するのか正直よくわかりません(1.4秒の差)
4)春分のずれ
春分点(0度になる点)が一日のどの時刻になるかによっても差が出るそうです。(最大で±1.1秒)
自分自身がよく理解できていないのをお伝えするのも恐縮ですが、そんな理由により「約14分昼が長い」のだそうです。
春分の日イコール「昼と夜の時間が同じ日」と理解していましたのでちょっとびっくりでした。
※この項、ウィキペディア「春分」を参考にしました。
春分の雑学3: 春分の日は祝日法で「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」
これ、知ってましたか? 知らなかったのって私だけでしょうか。
国が定めた<『国民の祝日に関する法律』通称“祝日法”。この第2条でそれぞれの祝日が規定されています。
元日 一月一日 年のはじめを祝う。
(中略)
春分の日 春分日 自然をたたえ、生物をいつくしむ。
なるほど・・・古来から、冬眠していた動物が目覚めたり、植物が成長し始めたり、春分は春の高揚感に包まれる日として大事にされてきました。
我々も、自然のすごさに敬意を払い、春に動き始めるいろんな生き物を大切に思わないといけませんね。
春分の雑学4: 春分の日ってなぜお墓参りをするの?
春分の日は別名「春の彼岸の中日」と言われますね。
そう言ってはなんですが、春分の日は国が定めた「自然をたたえる」より、「春のお彼岸の日」の方がよく知られている気がしますがどうでしょう。
なぜ春分の日(と秋分の日)が祖先に感謝する「お彼岸」になっているかというと・・・
仏教でいう「お浄土」と深い関係がありそうです。
仏教でいういわゆる「お浄土」極楽浄土は、西のかなたにあると考えられています。
春分の日と秋分の日、太陽は真東から上がり、真西に沈みます。そのことから、「真西のかなたにある極楽浄土にいらっしゃるご先祖と最も近くなる」という考え方が出てきた・・という説が有力です。
古来から太陽に対する信仰というのもありますから、「西」「極楽浄土」「太陽」が一つになり、春分の日にご先祖に感謝する→「お彼岸のお参り」となったようです。
春の彼岸は春分の日を中心(中日)に、前3日後3日を合わせた7日間です。
2023年の春のお彼岸は
3月21日(火・祝):彼岸の中日[春分の日]
3月24日(金):彼岸の明け となります。
ご先祖様があっての私たち。感謝の気持ちはいつも持ちたいものです。お墓参りもいつでもすればいいのですが、特にこの春と秋のお彼岸、そしてお盆にはお参りしたいですね。
- 1 まずお墓のまわりの雑草やゴミの掃除
- 2 お花立てや線香立ては底にゴミが溜まっていることが多いのできちんと洗いましょう。
- 3 墓石は水を優しくかけるか濡らしたタオルで丁寧に拭き、その後はきちんと水気を拭きとりましょう。
- 4 お花以外のお供え物は禁止されているお寺もあります。持っていかないか、お寺の事務所に確認を取りましょう。
(その他宗派によって違うこともあります。詳しくはお寺にお聞きになってください。)
春分の雑学5: 暑さ寒さも彼岸まで〜ことわざと二十四節気
この言葉の意味をネット辞書を調べてみました。
<暑さ寒さも彼岸まで
【意味】 暑さ寒さも彼岸までとは、夏の暑さも冬の寒さも、春秋の彼岸を境として次第に薄れていき、それ以後は過ごしやすくなるという言い伝え。
【注釈】 「彼岸」とは、雑節の一つで、三月の春分・九月の秋分を中日とする前後三日を合わせた七日間のこと。もともとは、この期間に行われる「彼岸会」のことをさしたが、現在はこの期間のことをいう。
(後略)
二十四節気の図をご覧ください。
春分は春の節の折り返し点、秋分は秋の節の折り返し点です。
春分の後は徐々に日が長くなってそれまでの寒さも和らいでくる、秋分はその逆で、徐々に夜が長くなりそれまでの暑さが少しずつ涼しくなってくる。
実際にそういう温度の変化があるよ、ということと同時に、寒さや暑さに伴っていろんな苦労があるけれど、それも時期が来れば楽になるよ、という励ます意味も込められているようですね。
春分の日はお墓参りでご先祖を偲ぶとともに、春の息吹に元気をもらいたいものですね!
よろしければ二十四節気の他の日の記事もご覧ください。
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[…] ータ、一部文章をお借りしました。 夏至について もっと詳しくしりたいかたは ▶︎▶︎macckey.com さんのサイトへ と、いうわけで 夏至は、ホロスコープにおいて 春分でスタートを […]
[…] ータ、一部文章をお借りしました。 春分について もっと詳しくしりたいかたは ▶︎▶︎macckey.com さんのサイトへ と、いうわけで 春分は、ホロスコープにおいても 始まりの天 […]