年が改まり1か月ちょっと・・2月になると「立春」がやってきます。
春という言葉とは結びつかない寒い中ですが、「春が立つ」ってなにかウキウキした気分にもなりますね。(*^^*)
確か立春って節分の次の日だったなぁ…
立春って節分の次の日だったっけ、暦の上ではここから春って言うんだよな・・・などとは思うのですが、正直それ以外のことはあまりわかっていなかった私です(汗)。
あらためて、立春ってどういう日なのか、そして立春にまつわる雑学を調べましたので、お伝えします。
2024年の立春はいつ?
まず、タイトルにもした「2024年の立春はいつ?」ですが・・・
はい。
2024年の立春は 2月4日(日)になります。
立春は2月4日の日が多いのですが、天体の動きの関係で2021年は2月3日でした。
(参考:国立天文台 暦計算室 令和6年暦要項)
次の章でもお話しますが、太陽の動きからまず立春の日が決まり、それが旧暦でいうと1年の始まりということなんだそうです。
立春に対しての前日、「大晦日的なものとして、節分がある」のであって、節分の翌日が立春と私が思っていたのは逆だったんですね。
それでは以下、立春についていろんな雑学をまとめます。
雑学1 立春ってそもそもどういう日?
立春はもともと天文学的なところから割り出されたものです。
いきなりちょっとややこしい話になりますが・・定義を言えば、立春は太陽が冬至点と春分点の中間を通過する「瞬間」ということになります。
天球図と言われますが、図を描きましたのでご覧ください。
まず、地球を中心に、大宇宙を一つの球体にイメージします。これが「天球」です。そしてその天球上を、太陽や星が動くとイメージします。(そもそもこの、地球のまわりを太陽が回っているというのがイメージしにくいですね)
天球上で太陽が回っている道を「黄道(こうどう)」といいます。
地球の赤道をそのまま伸ばして天球にあたったところを「天の赤道」といいますが、これに対して黄道は23.5度傾いています。
この「黄道」と「天の赤道」が交差するところが2箇所あり、これが「春分点」「秋分点」となります。
そして、その中間が「夏至点」と「冬至点」となります。
さらにそれぞれの中間点が、立春、立夏、立秋、立冬、になります。
書いていてもわかりづらいなぁと思いますがすみません・・・(^^;
立春は冬至と春分の中間の位置で、春分点が0度、冬至点は270度。立春はその中間で315度の位置となります。
太陽が黄道上を実際に一周するのは、365.242…日となります。ここで端数がでるので、徐々にずれがおきてきます。それを修正するのが「うるう日」です。
それに伴い、315度になる日が微妙に変わるので、立春の日付が変わることがあります。
冒頭にも書きましたが、多くの年で立春は2月4日になりますが2021年には2月3日になりました。
立春の雑学2 そもそも立春ってなに?
立春は、もともと古くから中国で考えられて日本に入ってきた「二十四節気」というものに基づいたものです。
図をご覧いただいた方が早いですね。
「二十四節気」ではこんな感じで 春→夏→秋→冬 と季節が移り行くと考えられています。
そして「立春」は「春」の節の最初の日・・・イコール一年の最初と考えられているのです。
立春は「立春という節(期間)」「立春の期間の最初の日」、さらに天文学的に「太陽との角度がその角度になった瞬間(太陽黄経315度)」という3つの意味で使われます。
ちなみに、国立天文台の暦要項によると、2021年の「立春の瞬間」は『2021年2月3日の夜23時59分』ということになっています。この年も、あと1分遅ければいつもと同じ「2月4日」だったんですね。
立春の雑学 3 立春は寒い!
冒頭にも書いたのですが、立春の頃って、たいていものすごく寒いですよね。まぁ2月の最初の頃ですから当然なんですが・・・「春が始まる」というイメージとずいぶん違います。
ここにはそもそも「春」という言葉にヒントがありそうです。
「春」というとなんとなく、=暖かい というイメージがないですか?
草花が芽吹いたり、桜のイメージがあったり、色的にもピンクとかやわらかい暖色系のイメージがありますよね。
でも「春」という言葉のそもそもの意味は「寒さの底から徐々に暖かくなっていく時期」ということだったようです。
一番寒い時期は過ぎたよ、ということですから、まだまだ相当に寒いのは当たり前なんですね(笑)
俳句などでも「雪や氷が溶ける」「植物が芽を出す」「虫が動き出す」というイメージで使われますし、その通りなのですが、寒い時期なのは当然だったということです。
立春の雑学 4 後々の日を数える起点にも
立春が一年の始めということから、二十四節気のいくつかの日を数える起点にもなっています。
- 節分
立春の前日です。大晦日的な意味を持ち、来る一年間の家内安全を祈ります。 - 八十八夜
茶摘み歌に歌われる八十八夜は立春から数えて88日めということです。
この日に摘んだお茶は高級とされたり、この日にお茶を飲むと長生きすると言われたり、イベントが行われたりします。 - 二百十日、二百二十日
これも立春から数えて210日め、220日めで、台風が多い日とされています。実際には必ずしもそうでもないようですが、農家の間では厄日とされています。 - 春一番
これは数の起点ではないですが、「立春から春分の間で始めて吹く南寄りの強風」と定義されています。
立春の雑学 5 立春大吉とは?
立春の日の早朝、禅寺では「立春大吉」という四文字を紙に書き、厄除け・一年の無事を祈って、門や境内の要所に貼る習慣があるそうです。(主として曹洞宗。臨済宗ではそういう習慣はないようです)
私の住む地域では曹洞宗のお寺があまり無いので、正直見たことがないのですが、一度拝見したいものです。
これが貼ってあるお寺にお参りすると「立春大吉符」というものをもらえるという話も聞きました。未確認ですが、もしお近くに曹洞宗のお寺があったら、聞いてみられるといいのではないでしょうか。
この「立春大吉」、一部の地域では一般の家でもするそうです。いろいろな形で四季を味わうのっていいなと思います。
立春の雑学 6 朝しぼり
「日本名酒会」という全国37の蔵元による、立春お祝いの行事です。
各地の蔵元が、立春の前日から夜通しお酒を搾り、ラベルを貼り、立春の日の早朝、神社でお祓いを受けて、出荷します。
このお酒は「立春朝搾り」と呼ばれ、それぞれ酒販店に届けられ、予約した人に届けられます。
お酒を造る人、売る人、飲む人、全ての、商売繁盛や無病息災を祈る行事とされています。また、新酒を味わうということで「日本酒のボジョレヌーボー」とも言われます。
私はまだいただいたことはありませんが、その日の朝できたばかりの本当に新鮮なお酒はとても美味しいそうですし、厄除け・お祝いごとです。お酒がお好きな方なら一度頼んでみるのはいかがでしょう。
少し古い動画ですが、立春朝搾りの様子が YouTubeにアップされていましたのでご紹介します。
終わりに
立春って、正直イベントが多いわけでもないし、冬至や元旦や節分に比べ、ちょっとマイナーな感じもします。
でも旧暦で見れば、ここが一年のスタートです。
二十四節気に分けた季節を感じ、自然と共に生活していた昔の人を思いながら、もう一度今年の飛躍を誓うのもいいのではないでしょうか。(^^)v
よろしければ二十四節気の他の日の記事もご覧ください。
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