私は以前、浴槽の故障をきっかけにポータブルバスタブ(ビニール製の簡易浴槽)を購入しましたが、結果的に一度使っただけで処分することになりました。
しかし、この失敗体験を通じて「ポータブルバスタブが本当に力を発揮する場面」と「期待通りにならない場面」がよく見えてきました。
今、同じような商品を検討している方に向けて、購入前に知っておいてほしいポイントをまとめてみます。

私が失敗した理由(簡潔に)
我が家では以下の条件が重なり、ポータブルバスタブを活用できませんでした:
- 給湯器の不調で十分な量の熱いお湯が作れなかった
- 冬場の浴室で、底のたわみにより床の冷たさが直接伝わってきた
- 一人暮らしで使用頻度が限定的だった
ただし、これらの問題がクリアできる環境なら、十分に活用できる商品だと感じています。
その時の私の体験はこちらに書きましたのでよろしければお読みください。

ポータブルバスタブが向いていない人・向いていない用途
まず、「ポータブルバスタブが向いていない人」や「向いていない用途」をまとめてみます。こういうケースですと購入はちょっと待った方がいいかもしれません。
1. 緊急時の一時的な代替品として(私のケース)
これが実は、最も期待外れになりやすいパターンなんです。私自身がまさにこのケースでした。
浴槽が壊れて「とりあえず何とかしなければ!」という状況での購入は、冷静な判断ができていないことが多いんですね。
給湯器の問題、設置環境の問題、そして何より「一時的な我慢」という気持ちでは、小さな不便も大きなストレスに感じてしまいます。
- 給湯器の故障で十分なお湯が作れない状況
- 短期間だけの使用予定
- 根本的な設備問題の解決が優先される場合
2. 冬場の寒い浴室での使用
これは私が身をもって体験した、最も辛いパターンです。
ポータブルバスタブはビニール製なので、どうしても体重でたわんでしまうんですね。
すると底の部分が浴室の冷たい床に直接触れてしまって、お尻や太ももに冷たさが伝わってきます。
12月の広島でも相当寒かったので、もっと寒い地域や浴室暖房がない環境では、本当に厳しいと思います。
- 浴室暖房がない環境
- 床がタイル等で冷たくなりやすい
- 断熱対策ができない場合
問題点:
- 底のたわみで床の冷たさが直接伝わる
- 浴室全体が寒いと湯冷めしやすい
- 快適性が大幅に損なわれる

3. 本格的な毎日入浴を前提とした場合
「普通のお風呂の代わり」として考えると、思わぬ手間に悩まされることが多いです。
毎日の設置、お湯張り、入浴後の排水、乾燥、片付け…これを毎日続けるとなると、想像以上に大変なんですね。
最初は「安く済んで良かった」と思っても、段々と「やっぱり普通のお風呂の方が楽だった」と感じる方が多いようです。
- 毎回の設置・排水作業が大変
- 乾燥・収納の手間
- 長期使用での劣化リスク
ポータブルバスタブが向いている人・向いている用途
次に「ポータブルバスタブが向いている人」や「向いている用途」をまとめてみます。もしあなたがこれにあてはまるようなら、購入を検討しても良いと思いますよ。
1. 追い炊き機能がない賃貸住宅での常用
実は、これが最も成功率が高いパターンです。
私が調べた口コミでも、この用途で使っている方の満足度がとても高いんですね。
追い炊き機能がないお風呂って、一人が入った後はどんどん冷めてしまって、次の人が入る時にはもうぬるくなってしまう…そんな悩みを解決してくれるのがポータブルバスタブなんです。
- マンションやアパートで追い炊き機能がない
- 家族で入浴時間がバラバラ
- 現在の浴槽が小さすぎて不満
このような場合、ポータブルバスタブの「ゆったりサイズ」と「保温しやすさ」が大きなメリットになります。
成功のポイント:
- 給湯器から十分な熱いお湯が出ること
- 浴室に設置スペースがあること
- 蓋を活用して保温効果を高めること
2. アウトドア・キャンプでの贅沢入浴
意外にも、アウトドアでの使用はとても人気があります。
普通のキャンプだと、お風呂は近くの温泉施設を利用するか、我慢するかのどちらかですよね。
でもポータブルバスタブがあれば、自然の中で星空を見ながらお風呂に入る…なんて贅沢な体験ができるんです。
キャンピングカー愛好家の方の中には、これを常備している方も多いそうですよ。
- キャンピングカーでの旅行
- グランピング施設での使用
- 庭やベランダでの開放的な入浴
成功のポイント:
- 大容量の給湯設備が近くにあること
- プライバシーが確保できる場所があること
- 排水場所の確保

3. 介護・リハビリ目的での活用
専用設計ではありませんが、介護の現場で重宝されているケースも多いようです。
既存の浴槽が深すぎて、ご高齢の方や体の不自由な方が入浴するのに不安がある…そんな時に、比較的浅めで安定感のあるポータブルバスタブが役立っています。
もちろん安全面での配慮は絶対に必要ですが、在宅介護の選択肢として検討される方が増えているんですね。
- 既存の浴槽が深すぎて介護には不向き
- ベッドサイドでの部分浴
- リハビリでの温浴療法
注意点:
- 医師や理学療法士との相談は必須
- 安全面での十分な配慮が必要
- 介護者の負担も考慮する
4. 子どもの大型プール+入浴用
これは本当に一石二鳥の使い方ですね!
夏場は庭やベランダで大きなプールとして水遊びを楽しんで、夕方になったら温かいお湯に入れ替えてそのままお風呂として使う。
子どもたちは大喜びですし、親としても「プールとお風呂を別々に用意する手間」がないのでとても楽なんです。
お子さんが複数いるご家庭では、特に重宝されているようですよ。
- 庭やベランダでの水遊び
- そのまま温かいお湯で入浴も可能
- 子どもが複数いる家庭で大活躍
メリット:
- プールと浴槽の兼用で経済的
- 子どもが喜ぶサイズ感
- 使わない時は収納可能
購入前の必須チェックポイント
給湯能力の確認
これは本当に重要なポイントです。私の失敗の最大の原因がここでした。ポータブルバスタブは想像以上にたくさんのお湯が必要なんですね。約250〜400リットルものお湯を、しかも十分に熱い状態で用意できるかどうか。給湯器の調子が悪かったり、冬場で給湯能力が落ちている状況では、本当に厳しいです。
- 一回の入浴で必要なお湯の量:約250〜400リットル
- 給湯器の号数と出湯能力を確認
- 冬場でも十分な温度のお湯が出るか
設置環境の測定
サイズだけ測って「入る!」と思っても、実際は意外と窮屈になることが多いんです。
ポータブルバスタブは設置するだけでなく、排水の時には移動させる必要もあります。
また、浴室の保温性も思っている以上に重要で、暖房がない浴室だと、せっかく温かいお湯を入れてもどんどん冷めてしまいます。
- 浴室の床面積(排水時の移動スペースも含めて)
- 排水口との距離
- 浴室の保温性(暖房の有無)
使用頻度と目的の明確化
「何となく良さそう」で買うと、後で後悔することが多いです。
毎日使うのか、週末だけなのか、緊急時だけなのか。誰が主に使うのか。
そして他の解決方法(銭湯を利用する、リフォームするなど)と比べて本当にベストな選択なのか。この辺りをしっかり整理してから購入を決めることをお勧めします。
- 毎日使うのか、時々使うのか
- 誰が使うのか(大人・子ども・高齢者)
- 他の解決方法との比較検討
季節要因の考慮
これは盲点になりやすいポイントです。
夏場に「良さそう!」と思って購入して、実際に使い始めるのが冬になってから…という場合、印象が全く変わってしまうことがあります。
私のように12月に使い始めると、床の冷たさや浴室の寒さが想像以上に厳しく感じられます。
購入時期と実際の使用開始時期が違う場合は、特に注意が必要ですね。
- 夏に購入→冬に使用開始だと印象が大きく変わる
- 床の断熱対策ができるか
- 浴室暖房の必要性
サイズ選びのコツ
利用する方の身長や、使う場所によってポイントがありますので注意してくださいね。
長さの選び方
- 103cm:コンパクト重視、子ども中心
- 117cm:バランス型、一般的な大人向け(私が選んだサイズ)
- 128cm:ゆったり重視、身長の高い方向け
深さの考慮
- 深すぎると水量が増えて給湯・排水が大変
- 浅すぎると肩まで浸かれない
- 50cm前後が実用的なバランス
他の解決方法との比較
浴槽が壊れて困った時の、ポータブルバスタブ以外の(一時的も含めた)解決方法と比べてみます。
銭湯・日帰り温泉の利用
もしお近くで銭湯やホテルの日帰り入浴などが利用できるようでしたら、当面それを利用するのもありですね。
コスト面:
- 1回500〜1000円 × 使用頻度
- ポータブルバスタブ:初期費用6000〜15000円
利便性:
- 銭湯:移動時間、営業時間の制約
- ポータブルバスタブ:自宅で好きな時間に入浴できる
浴槽リフォーム
根本的な解決方法とすれば浴槽の修理や浴室のリフォームということになりますが・・・
根本的解決vs一時的対応
- リフォーム:数十万円だが恒久的な解決になる
- ポータブルバスタブ:安価だが制約が多い
まとめ:成功のカギは「目的と環境の一致」
ポータブルバスタブで失敗しないためには、以下を明確にすることが重要です:
✓ 明確な使用目的がある(追い炊きなし賃貸、アウトドア、子ども用など)
✓ 給湯設備が十分である ✓ 設置環境が適している(スペース、保温性)
✓ 使用頻度と手間のバランスが取れている
私のように「とりあえず何とかしたい」という緊急避難的な購入だと、期待と現実のギャップに悩むことになりがちです。
しかし、用途と環境がマッチすれば、想像以上に快適で経済的な選択肢になる可能性は十分にあります。
ぜひ、この記事のチェックポイントを参考に、ご自身の状況に本当に合うかどうか、慎重に検討してみてください。


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