暦の上で季節が変わるのは、立春、立夏、立秋・・・そして冬への入口「立冬」となります。
今日はこの「立冬」についてまとめてみます。2023年の立冬はいつなのか、そして立冬の頃にどんな行事があるのか、などなど立冬に関する雑学を集めました。
京都の立冬を撮った、とても趣のある動画がありました。お借りして掲載します。風情ある京の晩秋を味わってください。
2023年の立冬はいつ?
まず、2023年の立冬はいつか?です。
はい。2023年の立冬は 11月8日(水)です。
(参考:国立天文台 暦計算室 令和5年暦要項)
ちなみに、来年、2024年の立冬は11月7日(木)です。(同 令和6年暦要項より)
なぜ日にちが変わるのかは雑学の中で触れますね。
立冬の日が楽しくなる雑学をまとめました
立冬ってどういうこと?どうやって決まるの?
立冬は大ざっぱに言えば、暦上の「冬の季節の始まり」ということです。
立冬がどうやって決まるかと言うと、天文学的に決められます。
こちらの図をご覧ください。一般的な地球が太陽を回るのではなく地球を中心として宇宙をイメージし、そこを太陽が回ると考えた図で「天球図」と言います。
図を見ていただきたいのですが、地球から見て黄道と天の赤道が重なるところを春分点・秋分点とし、春分点を0度として、そこから太陽の動きを角度で表わします。これを「太陽黄経」と呼びます。360度を24等分して、それをいわゆる「二十四節気」として決めてあります。
太陽黄経315度が立春、45度が立夏、135度が立秋、180度が秋分、そして225度が立冬となります。
先に説明してしまいましたが、これが二十四節気の図です。
二十四節気で言うと、立冬は霜降の後、小雪の前になります。
立冬には3つの定義がある
立夏や立秋などの時にも書いたのですが、同じように立冬にも「3つの定義(見方による違い)」があるのでこちらでもご説明します。
それは「瞬間」「日」「期間」です。
- [瞬間]天文学的に、太陽が太陽黄経225度になった瞬間(何時何分何秒となります)
- [ 日 ]立冬の瞬間を含む日
- [期間]二十四節気の立冬の期間として、立冬の日から約15日間、次の「小雪」の前日まで
ちなみに、2023年の「立冬の瞬間」は11月8日(水)午前1時36分です。 (国立天文台 令和5年暦要項による)
立冬の日は決まっていない?
太陽が一周するのがぴったり1年ならいいのですが、若干のずれがあります。そのためにうるう年があり、また立冬の日も微妙にずれます。
通常、立冬は11月7日か11月8日です。しかし、2068年からは11月6日もあるとのことです。
冬になったといっても寒くはない?
冬という文字を見るだけで、なんだか寒いイメージがありませんか? でも実際の立冬はまだ寒いというほどではありません。
「冬の気 立ち始める」という言葉もありますが、立冬は「冬の気配が始まる時期」ですから、まだまだ冬というよりは晩秋です。秋風がちょっと肌寒く感じられる頃、朝晩少し冷え込む時もあり冬の気配を感じ始めた頃、</spanと思った方が現実に合っています。
立冬の食べ物は
立冬に冬瓜を食べるという地域もあったようですが、今はほとんどされていない模様です。冬至にかぼちゃ、というようなことは立冬に関しては今はあまりないようです。中国では立冬に餃子を食べる風習があったと伝わっています。
立冬の頃の行事などは?
調べた限り、特に「立冬の日に」という行事はないようですね。
ということで、立冬の日を含むこの前後の時期にある行事や天候についていくつかお伝えします。
- 七五三
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通常11月15日と言われますが、それに近い土日に行われることも多くなりました。この歳まで元気で成長したことを神様に感謝すると同時に、これからの成長を祈ります。
- 亥の子祭り
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主として西日本に伝わっているお祭りで、元々多産であるイノシシ(亥)にあやかったものと言われます。石に数本の縄をつけ、唄を歌いながらそれを地面に搗き、商売繁盛や子孫繁栄を祈ります。11月の最初の亥の日に行われるとされますが、広島ではその付近の日曜日にすることが多いと思います。
広島では「亥の子 亥の子 亥の子餅搗いて 繁盛せぇ 繁盛せぇ」と歌いますが、地方によって異なる唄が多数あります。
- 木枯らし一号
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木枯らし一号はその年の秋に、風速概ね8m以上の強い北よりの風が吹くことを言います。立冬の前後に吹くことが多いです。
ちなみに2022年は近畿で11月13日に吹き、東京地方では観測されませんでした(11月14日に木枯らし一号一歩手前は吹いたがわずかに風速8mに届かず)(立冬は11月7日)
2021年は東京地方では観測されず。近畿地方では、記録が残る1955年以降で最も早い10月23日に吹きました。(立冬は11月7日)
- タンチョウヅル
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北海道にこの頃タンチョウヅルが飛来することが多いそうです。
- 小春日和
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晩秋から初冬にかけて、ふっと季節外れの温かく春のような穏やかな天気の日のこと。冬の到来の中に春を感じとる時です。
- しめ縄作り
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地域によっては、この頃からお正月のしめ縄作りが始まります。
立冬の期間の七十二候
二十四節気の各期間(約15日ずつ)をさらに3分して、約5日ごとの「七十二候」というものがあります。
これも元々中国で作られたものですが、日本に入ってから日本独特のものも作られて、本場中国のものとは変わってきました。七十二候は今ではあまり使われていませんが、花鳥風月がきれいに使われていて興味深いです。
立冬の七十二候はそれぞれ以下のように決められています。
- 初候(第1候)
山茶始開(つばき はじめて ひらく) : 山茶花が咲き始める頃、いう意味。 - 次候(第2候)
地始凍(ち はじめて こおる) : 大地が凍り始める頃、という意味。 - 末候(第3候)
金盞香(きんせんか さく): 水仙の花が咲く頃、という意味。
立冬は秋の気配が濃くなって、冬に移っていく時期だったんですね。冬という言葉で寒い時期のイメージがありましたがだいぶ違いますね。
こうして旧暦に触れ、季節を知っていくことは、自然とともに生きているというのをあらためて感じさせてもらえるし、なんだか嬉しくなります。今年の立冬には、身の回りで冬の気配を探してみたいと思います(*^^*)
よろしければ二十四節気の他の日の記事もご覧ください。
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