新年1月1日。元旦の朝はきっと誰もが心新たになりますね。
今年はどんな年になるのかな、いい年にしたいな、そんな期待にワクワクしながら、今年の目標を立てるのもいいものです。
このことわざってまさにそんな、新しい年の初めに目標を立てて頑張ろう!
って感じの言葉ですよね。
でも人によってはちょっと間違った意味にとらえている人もいるみたい・・・ あなたは大丈夫ですか?
そしてこのことわざには前段があり、さらに、由来をひも解くと、続きもあるようです。
目次:(クリックで各項目に飛びます)
Contents
このことわざの意味
まず、このことわざをネット辞書で引いてみました。
前段を含むこのことわざの全文
一日の計は朝にあり、一年の計は元旦にあり
【読み方】いちじつのけいはあしたにあり、いちねんのけいはがんたんにあり
【別表記】1日の計は朝にあり、1年の計は元旦にあり、一日の計は朝にあり、一年の計は春にあり
その日に為すべきことは朝に計画を立て、その年に為すべきことは元旦に計画を立てるべきである。何事もはじめに計画を立てるのが肝要である。「一年の計は春にあり」ともいう。
「一日の計は晨にあり、一年の計は春にあり、一生の計は勤にあり、一家の計は身にあり」。
これら「一日の計」「一年の計」「一生の計」「一家の計」の四つの計をもって「四計」と呼ぶ。
何かを始めようと思うなら、早い方がいい、
早いうちにしっかり計画を立てて進めようという意味です。
間違ってとらえている人
「一年の最初にしたこと、一年の最初に起きたことがその一年に影響する」という意味にとらえている人も、案外多いようです。
となると、元旦にたまたま何か悪いことがあったら・・・
お皿を割っちゃったとか、夫婦げんかをしちゃったとか、風邪をひいちゃったとか、そういったことがあると、今年一年あまりよくない年なんじゃないかって思ってしまいますよね(>_<)。
もちろんそれは間違いですから安心してください。逆に言えば、元旦にいいことがあったからといって、今年は一年中いいことが続くという意味でもありませんけど。
まぁでも縁起のいい方は拡大解釈しちゃってもいいかもしれませんね(笑)
このことわざの由来
このことわざの由来には、いくつかの説があるようですが、中国の『月令広義』という行事やしきたりについての本に書いてあるというのと、毛利元就の言葉だという2説が有力です。
『月令広義』は明の「万暦」という元号の頃(1573年〜1620年)に、馮應京(ひょうおうきょう)という学者が書いた本と言われています。
日本では安土桃山時代から江戸時代の初め頃ですね。ただ、この約50年間の、いつ発行された本かははっきりした記述がありません。
その中に、「一日の計は晨(あした)にあり、一年の計は春にあり、一生の計は勤にあり、一家の計は身にあり」とでてきます。
これが元々の由来と言われています。
晨(あした)というのは朝のことです。ここでの「春」は年の始めのこと。
一日の計画は朝に立てることが肝心。
一年の計画は年の初め(元日)に立てることが肝心。
一生の計画はきちんと仕事をすることで決まる。
一家の計画(将来)は主人の生き方で決まる。
そんな訳になります。4行目は「生き方」と訳す人と「健康」と訳す人といます。
『一年の計は元旦にあり』はこの文章の2番目だけが残ったもののようですね。
また、その前後に続きの文があったというのも興味深いです。元旦のことだけを言った言葉ではかったのですね。
そしてもう一つの有力な案は、日本です。
「三本の矢」で有名な毛利元就が
<「一年の計は春にあり 一月の計は朔(ついたち)にあり
一日の計は鶏鳴にあり」
長男の毛利隆元への手紙でそう書いたそうです。
春は年初め、朔は月初めのこと、鶏鳴は一番鶏の鳴く早朝のことですから、これも
「1年の計画は年の初めに、ひと月の計画は月初めに、今日の計画は朝に、立てなさい」という意味になります。
どんなことも、最初の計画が肝心、しかも早くやったほうがいい、という教えですね。
先ほどの『月令広義』とかなり似ています。
どちらが先なのかな・・・
『月令広義』は1573年〜1620年のどこか、元就の言葉は1558年と言われていますから、元就の方が少し早そうですね。こちらがオリジナルで、海を渡って中国に伝わったのかな?
今のところ、この2説のどちらがオリジナルかというのははっきりしていません。
もしかしたら日本と中国と別々の国で、同じような言葉を言った別々の偉人がいたと思った方がちょっと面白いんじゃないですか?
さらには平賀源内 が1763年に出した『風流志道軒伝』本の中で「一日の計(はかりごと)は朝にあり、一年の計は元日にあり」と書いてあるというのもあります。
さすがにこれは、先ほどの2つとは時代が200年も違いますからオリジナルではないでしょうけど、あの平賀源内も書いているというのは興味深いです。
ついでに・・・といってはいけませんが、著名人の言葉や古典から、似た言葉をいくつかご紹介します。
「一日の計は朝にあり。一年の計は春にあり。一生の計は少壮の時にあり」
安井息軒は江戸時代の儒学を集大成させたと高い評価のある儒学者で、2000人以上の弟子を輩出、その後の政財界の多くの人に影響を与えました。この方もこの言葉を大事にしていたと知られています。
管子(中国の古い書物)より「国家百年の計」
一年の計は穀を樹(う)うるに如(し)くはなく、十年の計は木を樹うるに如くはなく、終身の計は人を樹うるに如くはなし」
1年の計画で穀物を植える以上のものはない
10年の計画で木を植える以上のものはない
さらに長い期間の計画で人を育てる以上のものはない
草柳大蔵氏のエッセイ『あなたの「死にがい」は何ですか?』より
「一日の計は早朝にあり。 一月の計は一日にあり。 一年の計は早春にあり。 一生の計は若き時にあり。 平生の計は家内和順にあり」
ここでは通常のものに加え、一生の計画は若い時に立てる、落ち着いた暮らしは家族が仲良くすることにある、というものが加えられています。
福山競馬場
「一年の計は金杯にあり」
金杯レースというのが新年最初の開催日に行われるメインレースであり、一年の競馬の運を占うとされることからこういう言い方があるようです。
やっぱり元旦には目標を立てよう!
私も一応、毎年、「今年こそはこれをやるぞ!」とか「これをスタートさせよう」とか、元旦には思うのですが、これがなかなか・・・(^_^;
ひと月もするともう断念したりして、お恥ずかしいです。
でもそれでもやっぱり元旦には目標を立てましょう。
年が改まって気持ちも新しくなっている時は、計画を立て、スタートするにはもってこいの時です。
私が思う、目標に向けて歩き続ける3つの方法です。
- 1. 長い目標と短い目標を持つ
何ヵ月単位の目標と、1ヵ月とか10日とかの比較的短い目標、その両方があるとうまくバランスが取れて進められます。 - 2. 誰かに宣言する、あるいは誰かと一緒に目標に向かう
家族でもいいのですが、誰かに宣言するのは「言っちゃったしやらないと恥ずかしいなぁ」というのがいいモチベーションになります。また、一緒に目的に向かう仲間がいるのはさらにモチベーションになります。 - 3. 三日坊主だって、途中サボったって、また始めればいいと思うこと
真面目に考えすぎると、一度サボってしまうとそれだけで自分を責めたり、もうだめだと思ったりしがちです。三日坊主だろうが四日坊主だろうが、また始めれば全然構わない!それだって継続だ!と思えば、気持ちが楽になり結構続けられます。
あなたもどうぞ元旦には今年の目標をたてて、一歩ずつ進んでくださいね。
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