前回、添削を受ける時のポイントということで、添削してもらう側に立った話をさせていただきました。
→『より良く添削を受ける6つのコツ!添削指導を効果的に力に変えよう』
今回は逆に、『添削をする先生側の人が、依頼者さんの文章力を最大限に上げる添削のコツについて』私が思うことをお話ししたいと思います。
添削にも本当にいろいろなものがありますが、今回も前回と同じく、私の妻が受けている「エッセイ通信講座」と、私が仕事としてさせてもらっている「ブログ記事の添削講座」をベースに書きますね。
また、この記事の対象としては、添削のプロの先生ではなく、今まであまり添削というものをやったことがない方で、何らかの理由で添削をしないといけなくなった方をイメージしています。そんな方に易しくお伝えする気持ちで書かせていただきます。
2つの章で全部で9つのポイントになります。
では、まずは、私が添削する際にいつも気をつけている5つのポイントです。
添削でどこを見る?5つのポイント
1 まず、一読者として読む
私は、一度目は、添削者だとか考えずに、ただこの文章を読みにきた、一人の読者だという気持ちで読みます。
一切の先入観なしに感じたこと。読みやすい・読みにくい、面白い・面白くない、など、初見の素直な感想というのはとても大事だと思います。それを書き留め、まずお伝えするようにしています。
2.わかりやすいかどうかを見る
私は、『良い文章とは、わかりやすい文章』と考えています。
わかりやすいということは他のすべてのことに勝る、最も大事なことだと思います。
わかりやすくするためにはたくさんの要素があって、これを説明していると、これだけが一つの記事になりますが・・・
まず、これらのことはあります。
- 言葉がわかりやすい…適切な言葉を使っているか、外来語や難しい漢字、難しい専門用語がないか
- 流れがわかりやすい…内容的にも文章的にも自然な流れで読めるか
- 文章がわかりやすい…文章が短く、主語述語の繋がりもはっきりしていて、重複なども少ないこと
- 時系列など…時系列が大事な文章であれば、それがすぐわかる形になっているか
- 全体の文字数が適切か…長すぎないか、短すぎないか
- 読み手に優しいか…読者が読みやすいような心配りがあるかどうか
書くと難しそうですが、実際にはかなり感覚的に読んでいます。そしてわかりにくいと感じたところは赤でチェックしたり、テキストファイルにまとめていきます。
3. 書き手を感じるかどうかを見る
もちろん文章の種類によっても違いはありますが、小論文や、エッセイや、ブログ記事など多くの文章において、「書き手を感じる文章」の方が良いと思います。
書き手の体験とか、「自分はこう思う」という意見、感想、アイデア・・など、書き手を感じる、書き手が見える文章は、生き生きしているし、書き手の熱のようなものが感じられます。
逆にそういうものが出てこない文章というのは、どこか淡々として、味気ない、他人の言葉を寄せ集めたような文章になることが多いです。そういうものはどうしても親近感も熱も感じないし、心に届きにくいものです。
文章に書き手を感じるかどうかというのは、一つとても大きなことだと思います。
4.テーマに沿ったものであるかを見る
これはもちろん言うまでもありません。小論文やエッセイは柱となるテーマがあります。ブログ記事や広告文にもテーマや、テーマの代わりと言える「キーワード」が存在します。
それらが自然に感じられる文章であることは当然です。
5.誤字脱字ほか基礎的な部分は、徹底的に見る
添削の第一義は「文章を削ったり追加したりして、正しくする」ということです。そのために誤字脱字や言葉の無駄な重複、主語術後のわかりにくいもの、などは徹底的に見ます。
次に、添削を書くときのポイントを4つ挙げます。
添削を書くときの4つのポイント
1. 押し付けない
添削を頼まれる人は、やはり文章を書くことが好きだったり、文章に一家言ある人が多いです。それだけについつい自分の考えていることだけを基準に考えてしまいがちです。
もちろん自分の考えを基準にすることはいいんです。ですがそれだけになってしまうこと、他人には他人の個性や考え方があるということを忘れてしまってはいけません。
これは私自身いつも自分に言い聞かせていることでもあります。
当然ですが、あなたに個性があるように、書き手一人一人に個性があります。考え方も多種多様です。それを大事にするからこそいろんな良い文章が発信されます。
常に「自分の意見は一つの考え方です」「あなたの考え方もあり、私の考え方もある」というスタンスを保つことが、添削者には求められると思います。
2. 否定は最小限に
添削をしていると、正直、「これはいかん」と思う文章に出合うこともあります。当然、まず否定しないといけません。
これはもちろん相手の方のための否定です。文章を良くし、その人の力をアップさせるための否定なんですが、やはり人は否定されると凹みます。
否定の仕方は本当に難しいです。やはり、否定は十分に言葉を選び、最小限に言うのがいいのだろうと思います。
また、否定をするときには特に、必ず例示を入れることだと思います。「例えばこういうこと」と言えば、相手は否定されても納得してくれるはずです。
同時に、良いところはしっかり褒めてあげましょう。それが心地よく添削を読めることに繋がると思います。
3. わかりやすい説明を心がける
添削する立場として、添削に書いた説明文がわかりにくい、添削に誤字がある、などというのは本末転倒です。
プリントアウトに朱を入れてお渡しする時は比較的楽です。きちんと校正記号を使い、文字を丁寧に書けばだいたい大丈夫です。
ですがネット上での添削の場合は少し厄介です。ネット上で、文字は通常、色がつきませんし、どこを指しているというのも非常にわかりづらいです。
なのでいろいろ工夫して、とにかくわかりやすく、伝わりやすい説明をしていかなくてはいけません。
4. 愛情を持って添削する
ここまで書いたことのまとめみたいなことですが・・・。
やはりひと言で言えば、依頼者さんに愛情を持って添削するということだと思います。
その人がわかりやすいように説明する。
その人が心地よいような言葉遣いをする。
否定するときにはその人がガックリしないように気をつけて否定する。
トータルではやはり、その人の文章レベルが上がるよう、その人の文章がより良くなるよう、
それを強く願って添削をすることだと思います。それが全てではないでしょうか。
私の三度読み
参考までに、私が添削するときの、良くあるパターンを書いてみます。
私は添削を書き始めるまでに、最低3回は読みます。
一度目
ざっと読んで、流れが自然か、楽に読めるかをチェックする。
これは『添削でどこを見る』の1番です。
先入観を持たずに、一人の読者につもりで普通に目を通します。
そのときどう感じたか、読みにくくなかったか、などはメモします。
二度目
今度は一行ずつじっくり読んでいきます。
主として誤字脱字や文章構造がおかしいものなどをチェックする目的です。
この時、プリントアウトや原稿用紙であれば朱を入れていきますし、データであれば気になるところをテキストファイルに移していきます。
一度目で読みづらいと感じたところは特に重点的に読みます。
三度目
もう一度全体を通して読み直し、誤字のチェック漏れや、流れの細かいところをチェックします。
ここから添削を書き始めます。
もちろん、書きながら気になるところがあれば、この後も何度でも読み直します。
といった感じで、いつも添削をしています。
以上、私が仕事としてやっている添削の仕方をベースに、添削者として何が大事かということを私なりに書かせていただきました。
少し言葉足らずなところもあったと思いますが、それらはまた改めて別記事などでお伝えしたいと思います。
約3年間、ほぼ毎日添削をしてきても、人様の文章を添削することは難しいと思います。添削者として私はまだまだ未熟です。
ですが、慣れていない方が、突然誰かの文章を添削してくれと言われたら、きっとすごく困られると思います。今回はそんな方のために書きました。
添削をするというのは本当に難しい作業ですが、それで相手の方に喜んでもらえるのは本当に幸せを感じます。
あなたも是非、そんな気持ちで添削をしてみてください。きっと相手の方に喜んでいただけると思います!
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