先日、友人が再就職に挑戦しました。
面接だけと思いきや、なんと小論文の試験があったそうで、困ったと言っていました。
わかります。試験で小論文って聞くと「わぁどうしよう?」ってなりますよね (>_<)
私も試験としての小論文は、正直、学生の時以来ありません。
ですが、文章を書くのは大好きです。好きが高じてブログをやったりいろんな文章を書いていますし、ブログ記事の添削の仕事もやってきました。(^-^)
以前NHKで小論文の書き方の番組を観る機会があり、とても面白いと思いました。
この記事ではその番組で言っていたことも参考にしながら、友人のため、そしてこれから就職や進学で小論文の試験を受ける方のために、小論文作成のコツの一つ「問題提起を作る」についてまとめてみます。
問題提起とは
「問題提起」とは、出された課題に対して自分なりの「切り口」を作ること、そしてそこに疑問を提示することです。
試験で言えば、課題としての「テーマ」が与えられますが、それを見て、自分が思うことや意見をしっかり決めて、それを文章にはっきりと示すことです。
小論文の書き出しに、この問題提起をしっかり入れることで、筆者の意見が明確になり、その後の文章に一つの骨が通ることになります。
非常に大事なものですが、決して難しいことではありません。
問題提起を作ったら、小論文は半分できたようなものです(笑)。
問題提起が大事なのは、小論文は「自分の意見を書く」文だから
この後、問題提起を実際に作っていきますが、その前に一度「小論文ってなに?」を考えた方が良さそうです。
小論文は「自分が考えたことを書く」「自論をきっちりと展開する」文章です。
その点で「思ったこと、感じたこと」を書く「感想文」とは全く違います。
ここがずれている人がとても多いので、間違えないでくださいね。
具体的には、文末が違います。
私は○○○○と思う ×
私は○○○○と感じる × これらは小論文ではダメです。
私は○○○○と考える ○ 小論文ではこういうはっきりした言いきり型になります。
(もちろん「思う」「感じる」という言葉を使っていけないということではありません。しっかり意見を言う、なるべく言い切る、ということです。)
出されたテーマに対して
「自分はこういう意見を持っている」
あるいは
「この考え方に対して、イエスである(または ノーである)」
それをはっきり言うことが小論文では最も重要です。これをはずすと、焦点のぼやけた弱い文章になり、合格は期待できません。
「主観的なことは書くべきでない」と教える参考書もあるようですが、それは知識を求められる試験の場合です。通常の小論文試験では、あなたの主観を求めています。
会社側が知りたいのは、あなたがこれまでの人生で何を体験してきて、そこからなにを学び、どんな考え方を持っているか。そしてあなたがしっかりと自分の意見を言える人なのか、なのです。
20代より、30代、40代となるほど、自分の実体験が積まれてくるので、年齢を重なることは大変有利になります。
自分の頭にあること、体験して知っていることを自分の言葉で語るのがいちばん説得力がでます。
問題提起で注意したい3つのポイント
問題提起を考える際に注意したいポイントが、3つあります。
- 調べなくても自分の頭にあることで最後までまとめられること
- その切り口には、賛否両論があること
- 単に個人的な好き嫌いやわがままの話ではないこと
- 【1の解説】
-
これは制限時間がある試験なら当然ですね。データや意味を調べる余裕はないですから、今自分の頭で考えられることを書くべきです。
もし「何日までに提出してください」という形であれば、調べて提出すればいいのですがそうもいきません(笑)
それに、調べなくても自分の知識や経験で書けることの方が、説得力もオリジナリティもあり、訴える力の強い文章が書けます。
- 【2の解説】
-
例えば「会社にルールなどいらない」というような問題提起では、ほとんどの人が「さすがにそれはない」と思うわけです。そこに問題提起をしても、突拍子もない暴論しかできないことになります。
逆に例えば「人には丁寧に接するべきである」というように、ほとんどの人が当然そうだと思うことも、ありきたりの話しかできないのでNGです。
賛否両論がある切り口にするのが、最も自然に展開できます。
- 【3の解説】
-
これも当然です。「僕は朝が苦手だから始業時間はもっと遅い方がいい」みたいな、単なる個人的な好みやわがままの話では問題提起にもなりません。一般に通用する意見を考えましょう。
それではその3つを念頭に、次の章ではテーマを仮定して問題提起を考え、実際に「問題提起文」を作ってみましょう。
問題提起文を作ってみよう!(作例)
それでは実際に問題提起文を作ってみましょう。
ここでは例として、「社内の人間関係を良くするためにあなたが提案すること」
というテーマを与えられたとしましょう。
それを見た後、あなたがすべきことです。
自分のこれまでの実体験から「社内の人間関係を良くする方法」を考えてみてください。過去の、学校とか会社とか生活の中での人間関係などから、まずはいろいろと連想してみましょう。
少しでも思いついたことは全部書き出してみることをお勧めします。
ただ、試験のため、書き出すような紙も時間もなければ、頭の中でイメージするだけでもOKです。それでも可能な限りいろいろと考えてみましょう。【3つのポイントの①をクリア】
書き出した中から、最も楽に書けそうなことを見つけましょう。すらすらと頭の中だけで書けそうなことはどれか、自信を持って書けそうなことはどれか、決めます。
この時に3つのポイントの、②賛否両論があること と ③個人的な好き嫌いやわがままの話でないことはチェックしておきましょう。【3つのポイントの②③をクリア】
「社内の人間関係を良くする方法」がいろいろ浮かんできたと思いますが、その中で仮に「仕事後に飲みに行くことで人間関係を良くする」という切り口にしましょうか。
これなら今までの経験も多いし、自信を持って書けそうです。(^-^)
「仕事後に飲みに行くことで人間関係を良くする」は一般的な意見でも「是」も「否」もありそうですね。
それでは自分は「賛同」なのか「否定」なのかを決めましょう。
「飲みに行くことが人間関係を良くする[賛同])」という論でいくのか
「飲みに行くことだけでは良くできない(が、こういう工夫で良くできる)[否定]」という論を張るのか。
どちらでもいいです、どちらでいくかを決めましょう。
この時になるべく、最終的な落とし所を考えておくと後が楽です。(先ほど書いた「…が、こういう工夫でできる」みたいなところです)
そして、文末を 「○○だが、○○だろうか」にした文章を考えます。
これが 「問題提起文」になります。
この例で言えば
仕事が終わってから同僚と飲みに行く・・・それが人間関係を良くすると言われるが、本当にそうだろうか
という感じです。
この問題提起だと「飲みに行くだけではだめだ」という論ですね。それはそれでいいです。
もちろん逆もできますよ。やってみましょう。
仕事が終わったらプライベートな時間。そこまで同僚と関わりたくもないという人も多いが、それでほんとにいいだろうか
これだと「アフター5のつきあいも大事」という全く逆の論調になります。
どちらでも構いませんが、もちろんほんとに自分がこちらだと思っている方でいきましょう!その方が書きやすいし、全体の説得力が出てきます。
さぁ、出された課題から問題提起が作れたら、後は型に流し込むだけです! p(^-^)q
これは別の記事にしましたので、よろしければそちらをお読みください。
※一部、『NHK テストの花道「小論文は“型”で勝つ』を参考にさせていただきました。
文章チェック・添削についてはこちらの記事もどうぞ
コメント
コメント一覧 (2件)
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