献血の条件って何?断られないための準備とコツを体験から教えます

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あなたは献血に行かれたことはありますか。

それまで気になりながら全く献血をしていなかった私が、初めて行ったきっかけとなったのは、あの阪神淡路大震災でした。こんな私でも少しでもお役に立てるならと、矢も立てもたまらず行ったのを覚えています。

以来、かなりの回数行ってきましたが、せっかく人のお役に立ちたいと思って会場に行かれたのに、断られるケースを何度か目にしてきました。

男性Aさん

血圧が高すぎるって断られた、トホホ。。。

女性Bさん

濃度が足りないと断られちゃった。確かにちょっと貧血気味ではあったけど大丈夫だと思ったんだけどな。

女性Bさん

たまたまきのう薬を飲んだら、それがダメだって言われた。こんなことでも断られるのね・・。

はい。健康であれば誰でもできそうな気がしますが、「献血できるための条件というものが、実はたくさんあり、細かく規定されています。

これは、献血する人の健康と、血液自体の安全ひいては献血される方の健康の、両方を考慮して定められているものです。

この記事ではその「献血できるための条件」を一つずつお伝えしながら、「せっかく献血に行ったのに断られた」という残念なことにならないよう、事前の自己チェックができるように書いていきますね。

献血イメージ写真(大)
目次

実は私も断られた経験があります!

実は私自身、献血会場に行ったものの拒否されてしまったことが、一度だけあります。

その時は、たまたま前日にインフルエンザの予防接種を受けていたんです。受けた時間と献血の時間を比べると、22時間くらい経っていました。

ほぼ丸一日経っていますけど、それでもダメですか?

看護師さん

申し訳ありません、24時間以上あけないといけないルールなんです。

まぁそれはそうですね。献血にはいろいろな条件があって、それは理由があるからこそ厳しく守られているのですね。

せっかく献血する気持ちで会場に行っても、断られてしまうと、自分も本当にがっかりしてしますし、会場にいる日本赤十字の関係者さんやボランティアの方々も本当に残念な思いをします。

自分の状態がしっかり条件に適合しているかをまず、ご自身で確認してから献血に向かいたいものです。

それでは以下、自己チェックができるポイントをお伝えします。

  • 「基本条件(年齢や体重など)」
  • 「薬について」
  • 「当日の体調」
  • 「予防接種など医療関係の制限」

の4つとなります。

1 献血の基本条件を知っておこう|年齢・体重・健康チェック

献血の種類別 年齢・体重制限一覧

献血の種類によって、年齢と体重が細く規定されています。表にしましたのでご覧ください。

ちゃんと該当していますか?

種類200ml 全血献血400ml 全血献血血漿成分献血(600ml以下)血小板成分献血(600ml以下)
年齢※男性女性とも16歳〜69歳男性17〜69歳男性女性とも18歳〜69歳男性18歳〜69歳
男性18〜69歳女性18歳〜54歳
体重男性45kg以上男性女性とも50kg以上男性45kg以上
女性40kg以上女性40kg以上

※65歳以上の方の献血は60〜64歳で献血経験のある方のみ

年齢制限について詳しく知ろう

16歳から献血可能になる理由

16歳というのは、体の発育がほぼ完成し、献血による体への影響が少なくなる年齢として設定されています。ただし、16-17歳の方は保護者の同意が必要です。

18歳からできる献血が多い理由

成分献血や400ml献血の多くは18歳からとなっています。これは、より体が成熟し、採血による体への負担に十分耐えられる年齢として設定されているからです。

初回献血は65歳までの制限も

60歳以降に初めて献血をする場合は、65歳までという制限があります。これは、初回献血による体への反応を慎重に見極めるためです。
長年続けてこられた方と、初回の方では体の慣れ具合が違いますから、より安全を重視した制限ですね。

69歳で終了となる背景

長年献血を続けてこられた方にとって、69歳での「卒業」は少し寂しく感じるかもしれません。

これは、高齢になると体調の変化が起こりやすく、献血による体への負担を慎重に考慮した結果です。献血者の安全を第一に考えた、大切な制限なんです。

年齢制限は献血者への感謝の表れ
これらの年齢制限は、決して献血者を排除するためのものではありません。長年にわたって社会貢献をしてくださった方々の健康を最優先に考えた、感謝の気持ちの表れでもあるのです。

体重制限があるのはなぜ?知っておきたい理由

献血には体重制限が設けられていますが、これには献血者の安全を守るための大切な理由があります。

血液量と体重の関係性

私たちの血液量は、体重のおよそ8%程度と言われています。例えば体重50kgの方なら、約4リットルの血液が体内を循環しています。
体重が軽い方から多くの血液をいただくと、血液量の減少が体に与える影響が大きくなってしまうため、安全な範囲で体重制限が設けられているんですね。

男女で体重制限が違う理由

表を見ていただくとわかるように、多くの献血で男女の体重制限に違いがあります。

  • 男性:45kg以上
  • 女性:40kg以上

これは、一般的に女性の方が男性より体格が小さく、同じ体重でも血液量や体への影響が異なるためです。女性の体の特性を考慮した、より細やかな配慮がされているということですね。

400ml献血はなぜ厳しいの?

400ml全血献血の場合は、男女ともに50kg以上と、他の献血より厳しい制限になっています。
これは採血量が多いため、体への負担をより慎重に考慮しているからです。200ml献血と比べて倍の量になりますから、安全性を最優先に考えた結果なんです。

制限ギリギリの方は要注意

体重制限ギリギリの方は、当日の体調や前日の食事などで体重が変動することもあるので、少し余裕を持っておくと安心ですね。

2 知っておきたい薬の制限!薬を飲んでいても大丈夫?

薬を服用していると「献血できるのかな?」と心配になりますよね。実は、多くの薬は献血当日に飲んでいても問題ありませんが、中には制限がある薬もあります。

献血当日でも飲める薬一覧

献血当日に服用していても、基本的に献血可能な薬は以下の通りです:

  • 健康増進のためのサプリメント
  • 胃腸薬
  • 降圧剤(高血圧の薬)
  • 漢方薬
  • アレルギーの薬
  • 少量の女性ホルモン剤
  • 点鼻薬
  • 抗潰瘍薬
  • 緩下剤(便秘薬)
  • 塗り薬・貼り薬

ただし、これらの中にも一部の治療薬や、服用している病気の内容によっては献血をお断りする場合があるので注意が必要です。

飲んではいけない薬と制限期間

絶対にだめな薬

以下の薬を服用している場合は、献血をお断りされることになります。

向精神薬・睡眠薬
精神科や心療内科で処方される薬は、服用中は献血できません。これは薬の性質上、血液の安全性に影響する可能性があるためです。

ヒト由来プラセンタ注射
美容や更年期治療で使用されるプラセンタ注射を受けたことがある方は、その後の献血ができなくなります。

期間を空ければOKな薬

抗生物質
感染症の治療で使われる抗生物質は、服用終了から一定期間空ければ献血可能です。種類によって期間が異なるので、事前確認がおすすめです。

予防接種
ワクチン接種後は、種類によって24時間から4週間程度空ける必要があります。

歯科治療の痛み止め
抜歯や治療で処方された痛み止めは、治療から3日以上経過していれば通常は問題ありません。

迷った時の確認方法とコツ

事前確認がおすすめ

薬について少しでも不安がある場合は、献血会場に行く前に確認しておくと安心です。

確認方法

  • 日本赤十字社のホームページで「献血をご遠慮いただく場合」をチェック
  • 電話での問い合わせ(各都道府県の献血センター)
  • かかりつけ医に相談

    当日の問診で正直に話そう

    献血会場では必ず医師との問診があります。服用している薬について、正直にお話しください。

    • 薬の名前(お薬手帳があると便利)
    • 服用開始時期
    • 服用理由

    「大丈夫かな?」と迷ったまま献血会場に行っても、その場で確認してもらえるので心配ありません。医師が安全性を判断してくれます。

    薬の制限は安全のため
    薬による制限は、献血者と輸血を受ける方、両方の安全を守るためのものです。「薬を飲んでいるから献血できない」ということではなく、「より安全な献血のための配慮」として理解していただけると嬉しいです。

    3 当日の体調で気をつけたいことあれこれ

    1) 血圧が高め・低めの方は要注意

    血圧は「最高血圧が90mmHg以上」という規定があり、それより低いと献血できません。高い方は規定がありませんが、高すぎる場合はその場で医師の判断でストップがかかる場合があります。

    日頃、血圧がだいぶ高い、だいぶ低いという方は、電話等で確認してからの方がいいかと思います。

    2) 貧血気味だと血液の比重が…(貧血気味の人は注意)

    目の前で、若い女性の方がこの理由で断られたのを見たことがあります。

    血液の比重とは、簡単に言えば血液の濃さのようなものです(いわゆる血液ドロドロとは違います)

    血液中の赤血球の数が多ければヘモグロビン濃度が高くなり、血液の比重も上がる。逆に赤血球が少なければ比重が下がるということになります。

    血液の比重が低い人が献血をすると貧血になる可能性があるので、基準値以下の人の献血は見送られています。

    冒頭の方もそうですが、特に若い女性の方に、基準に達しない方が時折みられるようです。貧血、睡眠不足や疲労によっても比重が下がることがあります。

    血液の比重を家で測ることはできませんが、日頃から貧血気味だとか、疲れが溜まっているという方は、まずそれを改善してからにしましょう。

    3) 寝不足・食事抜きは絶対ダメ!

    これはいけません!たまたま寝不足とか食事が摂れてない時に献血車をみかけた、というのはあると思いますが、そもそも自分の健康に影響を及ぼすような献血はできません。

    献血会場での問診でも必ず「昼食(朝食)は取られましたか」と「きのうは何時間寝られましたか」というのを聞かれます。

    睡眠と食事は献血の上でも極めて重要です。もしそれらが十分でない時はその時はやめて、体調が万全な時に献血するようにしましょう。

    4) 前日にお酒を飲みすぎた場合

    前日にお酒を飲み過ぎで二日酔いの状態では、体調不良と判断されて献血はできません。献血の前日は深酒を避けてください。献血当日の飲酒は原則不可です。(少量の場合、問診で認められるケースはあります)

    理由:お酒を飲むと血管が拡張し血圧が下がることで、献血後の体調不良を引き起こすことがあるからです。さらにお酒によって出血しやすくなり、献血後の出血が助長される危険もあります。

    4 うっかりやりがち!医療関係の制限事項

    以下のようなケースでも献血を断られることになりますので注意してくださいね。

    1) 予防接種を受けた直後だった

    冒頭にも書きましたが、私の実体験です。

    インフルエンザが流行り始めたので、念のためにと予防接種を受けました。その翌日、たまたま近所に献血車が来ていたのを見かけて「よし!」とばかりに行ったのですが・・・

    「予防接種をしたら24時間たたないと献血はできない」という条件に抵触して、結局献血はできませんでした。

    また、別の機会ですが、目の前で同じ理由で断られた男性を見ました。

    予防接種を受けたら、丸々一日以上経たないと献血はできませんから注意してください。
    ※予防接種によってはそれ以上開ける必要があります。

    2) 3日間以内に、出血を伴う歯科治療を受けた(歯石の除去を含む)

    歯の治療や歯石の除去など、出血を伴う歯科治療を受けた方は、口の中にいる常在菌が血液中に入って、本来菌がいないはずのところに菌がいる状態(菌血症といいます)になる可能性がありますので、献血はできません

    3)前の献血から時間がたっていない

    これは献血に初めての方には関係のない話ですが、献血は、当人の健康のため、前回から規定の日数を空けないと次ができないことになっています。

    200ml成分献血/2週間後から可能(男女とも)
    400ml成分献血/8週間後から可能(男女とも)
    200ml献血/4週間後から可能(男女とも)
    400ml献血 男性は12週間後、女性は16週間後から可能

    もしその期間が経ってないのに行くと、断られることになります。

    ちなみにこれは私の献血カードの裏面です。
    400ml・200mlの全血献血であれば8月6日以降で可能、成分献血なら7月9日から可能、ということが書いてあります。

    献血カードを持っている方は、まずこの裏面を見て、次がいつから可能かを確認して、それ以降に行ってください。

    5 番外編:時間に間に合わなかった

    「断られた」とは違うのですが、これ私の失敗談で、一応書いておきます。

    決められた時間内に余裕を持って行かないといけないのに、終了時刻をうろ覚えで行って、着いたのが終了ぎりぎりのタイミングだったため、受け付けてもらえませんでした。

    まぁこういうのは、論外な話ですね(お恥ずかしいです・・)。

    献血には問診表の入力、医師の問診など、順番待ちなど、なんだかんだで20分〜30分はかかります。それを念頭に、余裕を持って会場に行ってくださいね。

    他にもこんな献血を断られるケースもあります

    あまり一般的ではないものもありますが、その他、該当すると献血ができない主な項目を上げます。

    • 妊娠中、授乳中、発熱のある方
      (服薬は一般的な薬の場合大丈夫なこともありますので、要相談)
    • 特定の病気にかかったことのある方
      心臓病・血液疾患・脳卒中・癌・けいれん性の疾患・ぜんそく等
    • 輸血歴、臓器移植歴のある方
    • ピアスの穴をあけている方
    • 6か月以内にいれずみを入れた方
    • エイズ、肝炎などのウイルス保有者、またはそれと疑われる方
    • クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)の方、またはそれと疑われる方
    • 海外旅行者及び海外で生活した方(期間や場所の細かい規定があります)
    • 1年以内(一部は1日以内)に予防接種を受けた方(種類の細かい規定があります)

    ※実際にはもう少し細かく定められています。これらは当日、問診表という形で提出する(今は会場のパソコンで「はい」「いいえ」の形で入力します)のですが、気になる方は日本赤十字社のホームページを参考にしてください。
    ⇒「献血をご遠慮いただく場合」日本赤十字社

    また、初めて献血される方は、運転免許証等の身分証明書が必要です。

    まとめ

    せっかく意を決して献血会場を訪れても、どれかの条件にひっかかって献血できない、というのは本当に残念なことです。特に初めての方は、条件をざっと読んでいただいて、問題ないことを確認して行ってほしいと思います。(血液濃度などは会場でないとわかりませんが・・)

    条件はありますが、とはいえ、ほとんどの健康な人は献血ができます。

    自分の体内で日々作られている血液が、病気や事故で今まさに必要としている人のお役に立てるというのは本当に嬉しいことではないですか!

    ぜひ多くの方に行ってもらいたいですし、私もまた行きますね♪

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