20代、30代の方は、胃カメラとかバリウムとか言っても、聞いたことはあってもまだ未経験っていう人が多いでしょうね。
人間ドックでは、通常このどちらかを選択するようになっています。
胃カメラとバリウム、よく聞くけど、実際どう違うのか。どちらが有効なのか、どちらが楽なのか、私の体験を交えて解説します。
胃カメラ検査
胃カメラ検査は、正式には「胃内視鏡検査」といいます。
口または鼻から小さな医療用カメラ(内視鏡)がついたチューブを差し込み、胃の内部を撮影、診断をするものです。チューブの先には小さな鉗子(かんし)がついていて、検査をしながら、不審な部分があればその場で細胞を採取したり(生検)、そのまま手術をしたり(内視鏡手術)することもできます。
カメラで実際に見ますから、胃壁の色や状態、腫瘍などがある場合はその形や様子が細かいところまでしっかりわかります。例えば腫瘍があった場合も、専門医の先生なら目で見てある程度良性悪性の判断もされます。
短所
通常の胃カメラは幅1cm以上ある、太いチューブを使いますから、まず喉に飲み込むまでが大変です。ほとんどの人はここでかなり苦しい思いをします。
また、噴門(食道から胃に入る入口)のあたりに癌がある場合、カメラの死角になりやすいとも言われています。
バリウム検査
バリウム検査は正式には「胃透視検査」といいます。
白い造影剤と発泡剤を飲み、胃を膨らませた状態で、X線を照射し、内部を観察します。モノクロ画像ですが、病変があれば見つけることができます。
胃カメラのような苦しさは少なく、検査そのものは比較的楽。
短所
最大の短所は、もし異常がみつかれば、あらためて胃カメラの検査を受けなければならないということです。
あと、バリウムを便とともに排出しないといけないのですが、特に便秘がちな人は腸の中でバリウムが固まる可能性があるので要注意です。(検査後、下剤をもらいます)
検査の精密さでは胃カメラに劣ります。
胃カメラ検査、バリウム検査の費用
通常胃カメラやバリウム検査は、人間ドックを頼めばその診察項目の中に入っていることがほとんどです。人間ドックの費用は、病院にもよりますが、私がずっと行っている病院は、税込36,000円です。
胃カメラ、もしくはバリウム検査を単独でやる場合は、国保で3割負担として、どちらも4,000〜4,500円程度です。(生検があれば追加費用が必要)
私の体験
私はなるべく毎年1回人間ドックを受けるようにしています。前回からは約1年半あいてしまいましたが、そろそろ受けなくっちゃと、先々月受けました。今回も以前からずっとお願いしている総合病院です。
前回は胃カメラ、今回はバリウムを選択した
真偽のほどはわかりませんがどこかで聞いた・・ような気がして(笑)、基本、胃カメラとバリウムは1年おきに交互でやろうと思っていました。それで、前回胃カメラを受けたので、今回はバリウムでいいかな、と考えました。
(正直胃カメラが苦手です 笑)
そして、人間ドックの当日・・バリウム検査を受けました。
胃カメラは喉を通す時に本当に苦しいので、嫌いです。バリウムはそういう苦しさがないので私は比較的好きです。
とはいえ、発泡剤を飲んで胃を膨らませるため、げっぷが出そうになります。でもげっぷをしてしまうと検査ができないので我慢しなくてはいけないし、その状態で台の上を前後左右ぐるぐると回転するよう指示されますから、撮影中苦しい思いは続きます。
<所要時間は10分から15分程度です。
検査の結果はすぐに出ます。当日私は、胃壁の一部に盛り上がりが見られると言われました。
胃壁の盛り上がり!?
担当医は「可能性としてですが、癌の可能性もあります」と。
びっくりしました!
でも・・・
お医者さんって必ず最悪のケースのことを話すものですよ。まぁそれは当たり前ですね。考えられる最悪のことを想定し、それへの対応を促す。それは医者として当然のことでしょう。そう思うと少し落ち着きました(笑)
それにしても・・「胃壁の盛り上がり」⇒癌の「可能性」・・そう言われれば、放っておく気にはなれません。数日後、胃カメラを受け直しました。
う〜ん・・。だったら最初から胃カメラにしておけばよかったなぁ。(~_~;)
胃カメラでの再検査!
約3年ぶりの胃カメラ。
胃の動きを抑える注射をした後、麻酔液を口に含み、上を向いて5分待ちます。喉に麻酔が効いてきたら診察台に向かい、検査開始です。
半分眠ったような状態になる鎮静剤の注射を希望した人は、まずその注射があります。これを希望するかどうかは検査を頼む時に言います(たいてい向こうから訊かれます)。
私も申し込んだ時の電話で、看護師さんから訊かれました。そうしたかったのですが、同日に別の検査もあることを言うと、それならできないと言われ、承諾しました。
でも結果から言えばもうひとつの検査を別の日にしてでも、鎮静剤を打った方が良かったように思います。それくらい、喉を通すのが大変でした。
ごっくんとつばを飲み込み、それと一緒にカメラを飲み込むのですが、なかなか入りません。喉は麻酔で痺れているはずなのにげーげーと吐きそうになります。
やっとの思いで喉を通した後は少し楽になりますが、「リアルタイムで胃の画像が見られますからどうぞ」と言われますが、とてもそんな状態ではありませんでした。
あなたを怖がらせてはいけませんが、正直かなり苦しいです。特に慣れないうちは鎮静剤の注射は希望した方がいいと思います。(その場合、帰りに車の運転はできません。また、当分病院で休んで帰る必要があります)
私の結論
最初から胃カメラにしておけばよかった(苦笑)。
バリウム検査の方が検査は楽ですが、終わった後にバリウムを排出する苦労もありますし、「何か不審な点があれば、胃カメラで再検査」なのですから、はなから胃カメラにした方がよかった、というのが私の結論です。
ただ・・・30代から40代くらいの若い人は、癌のリスクも比較的少ないですから、バリウムと胃カメラを一年交代くらいでもいいんじゃないでしょうか。
50代以上の人は毎回胃カメラでいいのでは、と思います。
とはいえもちろん、ピロリ菌がいるとかいないとか、それまでの胃の病歴とか、個人にもよってもまちまちです。検査の頻度については専門の医師とよく相談なさってください。
(補足)鼻からの胃カメラ
私はまだ未経験ですが、先日私の従兄が、<鼻からの胃カメラを受けてきたそうです。彼の感想ですが・・
- (1)通常の胃カメラよりずっと細いチューブで、鼻の穴から楽に通せた
- (2)もちろん多少の苦しさはあるが、口から入れるのに比べればはるかに楽だった
そうです。
これを行う病院はまだ限られているようですが、それだけ楽なのなら一度そういうところで診てもらいたいな、と思いました。
まだまだ胃の検査は楽ではありません。胃カメラにしてもバリウムにしても、もう少し楽ならもっと検査を受けに行く人が増えるだろうに・・と思います。医療関係者、医療器具メーカーさんには頑張って楽な検査を開発してもらいたいです。
それにしても、<日頃のチェックは本当に大事です。
あなたも定期的な検査で、毎日自信を持って過ごしてくださいね!
※検査の金額等は記事を書いた2014年8月での目安です。今後変わっていくこともあると思いますが、ご了承ください。
コメント