以前、過呼吸についての記事を書きました。
それは今から30年近く昔、初めて過呼吸というものになった時の恐ろしかった体験談で、それ以降は全くありませんでした。
それがここに来て再び自分を襲うとは思いませんでした。
それもパニック障害という、少し違う形で・・・
もしあなたが私と同じような症状があれば、病気とのこれからの向き合い方に参考になるかもしれません。お役にたてればと思い、書いてみます。
私の過去と現在の症状
1)30年前の過呼吸の話
まず、冒頭にも書いた話になりますが・・・
市内電車に乗って帰宅する途中、突然、呼吸がしづらくなり、手は脂汗でじっとり、全身に汗がふきだしてきました。震えていたと思います。体の中で何が起きてしまったのか、このまま死ぬんではないかと恐怖でいっぱいになりました。
とにかく次の停留所で降りよう、それまで我慢・・・と思っていたら・・・その状態は2、3分でおさまりました。
肺か心臓が悪くなったのではと心配した私は、翌日病院で診察を受けました。いろいろ検査をしましたが特に問題はなく・・・一時的な過呼吸状態だったのだろうということでした。
そしてそのまま何もなく年月が過ぎました。
2)そして昨年・・・
そして、去年の夏ごろだったと思います。
仕事中をしていて、突然、喉が詰まったような感じがして息苦しくなりました。
一瞬30年前のことが甦りました。やはりこのまま死んでしまうのではないかというすごい恐怖にとらわれました.
でも一応、過呼吸の時の対処は自分なりにわかっていたので、タオルを使って呼吸を整え、横になってしばらく楽にしていたら、おさまりました。
(私の場合、タオルを口に当て、あるいはマスクをして、布越しにしばらく深呼吸すると楽になります)
去年はその時を含め、2、3回くらいだったように思います。
3)そして今年・・・
ところが今年になって・・・少し頻発するようになりました。
1月に仕事中に同じような息苦しさが。
そしてその後も、広島の家で、千葉の妻の実家で、何度か同じ症状が出ました。
それまで全く気にならなかったのに突然スイッチが入りやすくなりました。
スイッチが入るきっかけはまちまちで、風邪気味鼻づまり気味だった時、鼻水が多かった時、ふっと呼吸を気にした時など、いろいろでした。
さらにこの2、3か月、発作というほどではないけれど、いまにも発作のスイッチが入りそうな強い不安が起こるようになりました。
実際の発作の症状も怖いのですが、ある意味この、「スイッチが入りそうな不安」がその後の自分にとって重くのしかかってきました。
脳に刷り込まれている感じで、発作が起きていないのに、すぐにその恐怖が甦ってしまうんです。
1か月ほど前、ある時パーティーに出席するために出かけたのですが、その時着たシャツが少しきつかったことで、それまで気にもしなかったのに、突然そのきつさが気になり始めました。
シャツで胸を締めつけられ息が詰るような気がして、たまらなくなり、必死の思いで別のシャツを買って着替え難を逃れました。
なぜだかわかりませんが、いつしか、そんな「悪いパターンへのスイッチ」が入りやすくなってしまいました。
一般的なパニック障害の症状は(パニック発作)
何らかのきっかけで、突然、喉が詰まったような感じになったり、呼吸困難や動悸が激しくなり、強い不安や恐怖が起きるのを「パニック発作」と言います。
パニック発作には以下のような症状があります。
- 心臓・呼吸器の症状
・動悸が激しくなったり心拍数が上昇し、心臓がドキドキする
・息切れがする、呼吸困難を感じる
・喉に何かが詰まったような感じ、空気が入ってこない、窒息しそう - 胸やおなかの症状
・胸が痛い、胸に不快感を感じる
・おなかに不快感を感じる
・吐気がする - 全身的な症状
・体がじんじんと痺れるような感覚がある
・体が震える
・冷汗、あるいは脂汗がじっとりと出てくる
・寒気がする、逆に熱っぽく感じる - 感覚の異常
・気が遠くなるような感じ
・めまいやふらつき
・なんだか今の状態が現実でないような感じがする
・自分が自分でないような変な感じがする - 不安感・恐怖
・このまま死んでしまうんではないかという恐怖に襲われる
・自分のコントロールを失いそう
・気が狂ってしまうのではないか
(参考:ファイザー製薬「パニック障害サポートブック」)
これらが数分内に急激に起こり、10分程度から長くても30分くらいでおさまります。
私の症状もだいぶ当てはまっています。
加えて、私は、
- 体の中でとんでもないことが起こっているような気持ち
- どうしようどうしようという恐怖と焦り
- 胸を手でつかんで開けて楽になりたいような気持ち
- とにかくじっとしていられず、そこら辺をうろうろしてしまう
などの症状もありました。
パニック障害と過呼吸の違いは?
前項のパニック発作の症状をご覧になってわかるように、過呼吸の症状とかなり重なるものがあります。
症状としてはパニック発作の中に過呼吸の症状も含まれると考えていいと思います。
過呼吸は興奮して呼吸が浅くなった時や激しいスポーツの後でなりますが、パニック発作は脳の不調によって起こりますから、原因は全く違います。
予期不安と広場恐怖
パニック障害にはパニック発作に加えて「予期不安」と「広場恐怖」という2つの特徴的な症状があります。
(1)予期不安
予期不安とは「またあの症状が出るんじゃないか」という不安感や恐怖心のことです。これがあると、ちょっとしたことで、いとも簡単に、実際にその症状に進んでしまいます。
今の私はこの「予期不安」がまだだいぶあります。治療を始めたので以前よりは感じなくなりましたが、まだ、なると怖いなぁという気持ちが結構あります。それがなくならないと完治したとはいえません。
(2)広場恐怖
例えば電車の中で一度呼吸困難になった人が、電車に乗るとまたなりそうな気がして、怖くて乗れなくなる、といったようなことを「広場恐怖」といいます。
一度怖い思いをしたその時と同じ状況に強い不安と恐怖を感じる、ということです。
・発作が起きても安全な場所に逃げられない
↓
・電車やバスが怖い
・雑踏が怖い
・会議などが怖い など
どうしてもその状況を避けてしまうので、生活を制限しがちになりますし、極端な場合、毎日の生活に支障が出るケースもあります。
私自身は広場恐怖は比較的少ないように思います。電車に乗ることの恐怖はありません。それでも時間的・空間的に制限される会議などは「もし今なったらどうしよう」というちょっと怖い気持ちがあります。
パニック障害は脳の不調です。「気持ちをしっかり持てば治る」「気合いで治す」という類いのものではありません。病気ときちんと向き合って対処をしないと治りませんし、よけいに悪くしてしまいます。逆に早めに治療を始めれば比較的早く改善します。
もしあなたが、この記事で書いたような症状があるようでしたら、初期のパニック障害の可能性があります。ぜひ一度、専門医の診察を受けてください。
受診科は、心療内科、もしくは神経内科です。
私も、心療内科でカウンセリングを受け、治療方針を聞くことで楽になりましたし、今後に希望が持てました。
私の治療については次の記事でお話します。
お大事になさってくださいね。
私の治療のこと、薬や生活習慣のことについてはこちらにまとめました。
初めて過呼吸というものになった時の体験談はこちらです。
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