広島の観光地というと、どうしても「原爆ドーム・平和記念公園」と「宮島・厳島神社」の2つが上がるのですが、そこまで全国レベルでの知名度はないけれど、ぜひ訪れてほしい場所がいくつかあります。そのひとつがこの記事でご紹介する縮景園(しゅっけいえん)です。
この記事では、縮景園の魅力に触れつつ、主としてここに行くアクセス方法についてまとめました。広島駅からも八丁堀の繁華街からも近く、中心部なのに、花や緑や水に囲まれ静寂を楽しめる。そんな縮景園にぜひお越しください。
縮景園とは?簡単な予備知識
縮景園ってどんなところ?
縮景園は広島市の中央にある庭園で、江戸前期の元和6年(1620年)、ここ安芸国広島藩の初代藩主だった浅野長晟 (ながあきら) 公が、別邸の庭園として作ったいわゆる「大名庭園」です。作庭をしたのは浅野藩の家老で茶人としても有名な上田宗箇 (そうこ)です。
園内には大きな池と太鼓橋があり、四季折々の花や木々が多数植えられていて、多くの広島市民や観光客が訪れています。
江戸時代には大火に見舞われたり、戦争では原爆投下の被害も受けましたが、都度修復されて今も四季折々の美しさを見せてくれています。
ここは八丁堀など広島の繁華街に近いのですが、園内に入ると一気に静かなたたずまいで、私もたまに行きますが本当に心が癒される場所です。2020年、節目の築庭400年を迎えました。
縮景園はどこにある?
縮景園は、JR広島駅の西、直線距離にして約600mのところにあります。広島駅と広島城のちょうど中間くらいのイメージです。隣には広島県立美術館、近くには広島電鉄の路面電車「白島線」の「縮景園前」電停があります。
JR広島駅から縮景園への全体図
最初に、縮景園とJR広島駅その他主要ポイントとの全体図をご覧ください。
青の矢印は路面電車に乗る部分、赤の点線は歩く部分を表しています。
最寄り駅(電停)としては路面電車の「縮景園前」となります。こちらは市内電車の中でも「白島線」という短い路線にあり、「八丁堀」で乗り換えて行くことになります。
JR広島駅から縮景園へ行くには4つの方法が考えられます。
- 広島駅北口からバス「めいぷるーぷ」で(「県立美術館前(縮景園前)」で下車)
- 広島駅南口から路面電車で(八丁堀 で下車し、白島線にのりかえて「縮景園前」で下車)
- タクシーで
- 徒歩で
それぞれ、お伝えしますね。
※なお、途中に設置した「全体図に戻る」のボタンで、ここの地図に戻りますのでご利用ください。
広島駅から縮景園へ 1 広島駅北口から周回バス「めいぷる〜ぷ」で
私は、観光の方が広島市内を移動するのは市内電車(路面電車)がわかりやすいと思っていますが、こと縮景園に関しては、めいぷるーぷが最も便利だと思います。まずこれをご紹介致します。
めいぷる〜ぷとは
めいぷる〜ぷとは、中国JRバスが運行する、市内の主要観光地や主要ポイントを周回しているバスです。主として観光の方向けです。
めいぷる〜ぷには回り方によって「グリーンルート」「オレンジルート」「レモンルート」の3つのルートがあり、3ルートとも縮景園の近くに停まりますが、「オレンジルート」「レモンルート」が、広島駅の次が縮景園なので大変便利です。(バス停名は「県立美術館前(縮景園前)」といいます)
このバスで、宮島以外の広島市中心部の観光名所各所に行けますし、1乗車220円(大人)は他の市内バスと同じですが、400円(大人)で一日乗り放題にもなるのでお得ですし、旅行の方には特に人気です。
広島駅から「オレンジルート」「レモンルート」に乗って、次で下車!
広島駅から縮景園に行く行き方としては、これが最も良いと思います。
オレンジルートとレモンルートでは広島駅の次が県立美術館前(縮景園前)です。これですと、広島駅からバス4分、徒歩約2分で到着します。バス停は電車通りの東側、電停より少し北にあります。
なお、グリーンルートですと平和記念公園などをぐるっと回った後に県立美術館前に行くので、バスだけでも28分かかり、おすすめできません。
県立美術館の横の道です。(左が電停、右に歩くと縮景園)
縮景園の入口です。
めいぷる〜ぷのJR広島駅の乗り場は
めいぷる〜ぷの広島駅の乗り場ですが、駅の北口になります。
広島駅の南北自由通路に1階に降りる大きな階段がありますので、そこを降ります。
1階に降りたところ。右にekieダイニングの入口、まっすぐ正面がバスのロータリーになっています。
バスのロータリーに出たすぐくらいのところが、めいぷる〜ぷの発着になっています。
- 1回乗車で、大人220円、小人(6歳以上、12歳未満)110円。※市内電車・市内バスと同額です。
- 1日乗車券は広島駅新幹線口2階のJR高速バスきっぷうりば、またはバス車内で売っています。料金400円(当日乗り放題)。
- 運行はグリーンルート・オレンジルートを合わせて、広島駅を朝9:00から夕方17:30まで(3月1日~10月31日の間は19:30まで)、時間にもよりますが30分おきくらいのイメージです。(時刻については公式サイトをご覧ください)
- 広島駅から県立美術館前(縮景園前)まで4分です。
中国ジェイアールバスの公式ホームページはこちら
広島駅から縮景園へ 2 広島駅南口から路面電車で八丁堀へ
2番目にご紹介するのは、市内電車(路面電車)を使う方法です。路面電車の乗り換えはありますが 、これもわかりやすいと思います。
冒頭の地図を再度掲載しますが、こんな感じ。広島駅から路面電車で八丁堀、そして白島線に乗り換えて2つ目が「縮景園前」の電停です。
ひとまずJR広島駅の中央口改札からご説明します。
中央口改札を出ましたら南北自由通路がありますが、それを右(南)に行きます。「南口」という大きな表示があります。
現在広島駅の南口は大規模な再開発で長期工事中です。階段かエスカレーターで降りて、仮設通路を道なりに進んでください。※工事は2025年春までの予定
途中分かれ道がありますが「路面電車」の方面に行ってください。
突き当たりを左に行くと路面電車のホームです。
「八丁堀」には5番以外の全ての電車が止まります。「比治山下経由広島港行き」以外、宮島口行き、江波行き、八丁堀経由広島港行き、どれでもOKです。
料金は大人220円、子ども(6歳以上12歳未満)110円で、降りる時に直接料金箱に入れてください。
広島駅から13分、「八丁堀」に着きます(6つ目の停留所)。
ここで下車し、白島線の「八丁堀」に乗り換えます。ちょうどこの角度から見えないのですが、横断歩道を渡り、赤の点線で囲んだあたりになります。
降車時、ここまでの料金220円を支払うと同時に、必ず運転手さんもしくは車掌さんに「白島線に乗り換えます」と伝えてください。そうすると「電車乗換券」を渡してもらえます。
この「電車乗換券」を持って白島線に乗り、降車時にそれを料金箱に入れることで、白島線の料金はかかりません。(これを使わないと、市内料金220円に加えて、白島線料金 大人160円・子ども80円がかかってしまいます。)
より詳しくはこちら 広島電鉄 電車のご利用方法:乗り換え制度
白島線[白島行き]は、八丁堀 → 女学院前 → 縮景園前 → 家庭裁判所前 → 白島 と停まります。2つ目「縮景園前」で降ります(電車乗換券を使ってくださいね)。
この写真が縮景園前の電停。(ただし八丁堀方面のホームです。白島方面のホームは交差点の手前で写真に写っていません)。電車の向こうに見えるのが県立美術館です。縮景園はこの県立美術館の右を通って真っすぐ1分ほどです。
簡単な地図を描いてみました。ご参考にどうぞ。
広島駅南口バスターミナルから市内バスでは?
めいぷる〜ぷ以外の、広島バス・広島電鉄などの市内バスで、広島駅から縮景園へのルートを調べてみましたが、適切なものがありませんでした。少し離れたバス停まで広げればあるのですが、あまり意味がないと思いますので、この記事では バス利用はめいぷる〜ぷのみ、とさせていただきます。
広島駅から縮景園へ 3 タクシーで行く方法
タクシー乗り場は北口・南口にあり
もちろんJR広島駅からタクシーで、というパターンもあります。ご家族や小グループならこれもいいですね。
南口・北口ともタクシー乗り場がありますが、2023年9月現在、広島駅南口は再開発で工事中で(2025年春完成予定)、タクシー乗り場も仮のものとなっています。待ちの車も2台と少ないので、北口のタクシー乗り場の方が良いかと思います。(ご紹介は両方します)
南口仮設タクシー乗り場
南口仮設タクシー乗り場の場所ですが、電車の乗り場の先頭あたりに小さい遮断機があって、遮断機が上がっているとき向こうのホームに渡れるようになっています。
ここを渡って、赤で囲んだあたりが南口仮設タクシー乗り場です。2台分が停まれるようになっています。
少し違う角度からの写真です。
北口タクシー乗り場
北口タクシー乗り場は、最初にお伝えしためいぷる〜ぷの乗り場の少し先(西)、ホテルグランヴィアの前にあります。
繰り返しになりますが、JR広島駅の自由通路からお伝えします。
まず、自由通路の北側、新幹線改札の近くにある大きな階段を降ります。
下に降りたところ。右手にekieダイニングの入口を見ながら正面左に歩きます。
ガラス張りのところを進んで日本旅行の前がタクシー乗り場です。
こんな感じのところです。北口タクシー乗り場は広いですし、南口仮設乗り場より車もたくさん来ますのでお勧めします。
2023年6月26日にタクシー料金の改定があり、広島市内で、普通車・初乗り1500mまで750円/以後264mごとに80円となりました。
タクシー乗り場から縮景園まで約850mなので、750円で行けます。乗っている時間は3〜4分です。
広島駅から縮景園へ 4 広島の川辺を楽しみながら徒歩で!
足が健康な方、ということにはなりますが、広島市内の風景を楽しみながら、徒歩で行ってみるというのも心地よいものです。
広島駅中央改札から縮景園入口までの距離は約1,000m。先日実際に私が歩いて計ったら16分ほどでした。
途中、猿猴川・京橋川の周辺は公園もあり、川の町広島らしい風景ですし、幟町中学校のところには原爆関連の慰霊像があったりします。縮景園まで歩いてみるというのも私はお勧めします。
「広島駅から縮景園まで歩く」は記事にする予定です。
縮景園周辺のGoogleマップを入れておきますのでご利用ください。
縮景園について その他まとめ
最後に、縮景園について行事や入園料その他をまとめておきます。
縮景園の四季の行事
縮景園では、梅、桜、ツツジほか、四季折々に様々な花が楽しめます。(花の写真や見どころカレンダーは公式サイトで見られます)
また、茶会や観賞会などの年中行事も行われます。
以下、縮景園での主要な年中行事を掲載します。
- 1月 大福茶会
- 2月 梅見茶会
- 3月〜4月 桜まつり(ライトアップ)
- 4月 観桜茶会
- 4月 茶摘まつり(茶会)
- 6月 しょうぶ茶会
- 6月 田植まつり(茶会)
- 7月 七夕茶会
- 8月 供養式
- 9月 敬老茶会
- 9月 観月茶会
- 10月 邦楽鑑賞会
- 10月 松のコモ巻き
- 11月 菊花展
- 11月 菊見茶会
- 11月 ソテツのコモ巻き
- 11月 もみじ茶会
縮景園の入園料と開園時間は
入園料と開園時間は次のようになっています。
入園料 | 一般:260円 、 高校生・大学生:150円、 小・中学生:100円 |
縮景園と県立美術館のセット利用料金 | 一般:610円、大学生350円 |
開園時間 | 3月16日~9月15日(9:00~18:00) 9月16日~3月15日(9:00~17:00)(入園は閉園の30分前まで) |
縮景園と県立美術館
縮景園に隣接している広島県立美術館は広島市内の大きな美術館の一つで、特別展や所蔵作品展、県民によるギャラリー展示、そして縮景園との連携企画展などを開催しています。お時間があればこちらもぜひご覧いただきたいスポットです。美術館の裏手から縮景園にも行き来できます。
県立美術館と縮景園の両方を楽しみたい人のために、セット料金もあります(上記の表を参照)。県立美術館の観覧料は大人が510円・大学生が310円ですから、それぞれで支払うより大人で160円、大学生で110円お得です。
県立美術館の公式サイトはこちら → 広島県立美術館 トップページ
縮景園から広島城
縮景園から西に500m、広島城があります。縮景園から徒歩5〜6分で行けますし、広島城もぜひご覧ください。
この記事も基本、行き方の記事ですが、広島城自体についても書いています。
広島城の公式サイトはこちら → 広島城 トップページ
終わりに
先日取材のために行った時にも、海外からのお客様が複数来られてました。
原爆ドーム・平和記念公園・宮島などの影に隠れ気味ですが、縮景園も癒やしの観光地として人気があるんだなとちょっと嬉しくなりました。
あなたもぜひおいでください! 私もまた行きたいと思います。
縮景園の公式サイトはこちら → 縮景園 トップページ
縮景園はほんとに心がやすらぐ場所です。少し時間をとってのんびり過ごされることをお勧めします!
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