真っ赤な お〜 は〜 な〜 の
トナカイ さ〜 ん〜 は ♪
クリスマスが近づいてきて、この軽やかな曲が流れてくると、大人になってもふと、空を走るトナカイさんとソリとサンタさんを思ってしまいます。
いつもはゆっくり休んでいる(?)トナカイさんたちも、この日ばかりは大忙しですね。
ところで以前、私の友人女性が、小さな娘さんに「トナカイさんって名前あるの?男の子なの女の子なの?」なんて訊かれて困ったと言っていました。
彼女が、今年のクリスマスには子どもさんと一緒にそんな話を楽しくできるよう、あらためて、トナカイさんの雑学を調べてみました。
あなたもお子さまとの話題にしてください(^o^)
YouTubeから「赤鼻のトナカイ」の動画を共有させてもらいました。
楽しくなってきます♪
名前の話の前に、そもそもクリスマスの話にトナカイが出てくるのはどこからかをお伝えします。
1)サンタのトナカイが出てくる物語は?
クリスマスにサンタクロースがプレゼントを配る、というのは4世紀頃の東ローマ帝国の伝説が起源と言われています。ただ、この時は今のようなトナカイがソリを引いて走るということはありませんでした。
では、現在我々もよく知っている、トナカイに引かれて走るという話はどこから始まっているのでしょうか。
調べてみましたら、19世紀以降にアメリカで発表された1つの詩と1つの童話が最初でした。
その1〈詩〉
8頭だてのトナカイとソリの話は、ニューヨークの神学者だったクレメント・クラーク・ムーアさんが自分の子どもたちのために作った子供向けの詩『サンタクロースがやってきた』(A Visit from St. Nicholas)が最初と言われています。
この詩は1823年に発表されましたが、今なお、欧米の学校や家庭でクリスマスによく朗読されるそうです。出だしのフレーズから「The Night before Christmas」という名前でも呼ばれていて、今ではこちらの方が一般的だそうです。
この中で、トナカイ8頭の名前が語られています。(詳細は次項で)
「The Night before Christmas」の初版本の表紙には8頭立てのトナカイとサンタクロースが描かれていたそうですが、残念ながら画像が見つかりませんでした。
その2〈童話〉
後で一頭追加されたのが“赤鼻のトナカイ”ルドルフ。
この話は、ムーアの詩から約100年あまり後になりますが、ロバート・L・メイという人が1939年に発表した童話『ルドルフ 赤鼻のトナカイ』(英語: Rudolph, the Red-Nosed Reindeer)に載っているものです。
このロバート・L・メイさん、実は作家ではありません。モンゴメリーウォード社という通販会社の広報部の社員だったそうです。元々小さい娘さんのために作ったストーリーでしたが、会社で評判になり、会社のクリスマスキャンペーンのためにと出版することで、多くの人の知るところとなりました。これが『ルドルフ 赤鼻のトナカイ』です。
世界中の子どもたちにプレゼントを配らなくてはいけないサンタさん。だけどその年のクリスマスは霧が深く、配る家が探せなくて困っていました。
かたやトナカイのルドルフ。仲間と違う真っ赤に輝く鼻を持っていましたが、それが仲間から笑われ、からかわれ、コンプレックスになっていました。
困っていたサンタさんがみつけたのがルドルフの家からこぼれてくる赤い光。そう、その赤い鼻からの光です。
サンタさんはこれだ!とばかり、ルドルフにソリを引いてくれるよう頼みます。ルドルフは驚きましたが、自分が頼られることを喜び、快諾しました。サンタさんのは彼の鼻からの光に救われ、無事子どもたちにプレゼントが届けられました。
サンタさんも子どもたちも大喜び。そしてルドルフも、コンプレックスだった赤い鼻がサンタさんを救ったことですっかりそれを自信を取り戻し、自分の鼻を誇りに思うようになりました。
鼻が赤いのがコンプレックスだったトナカイさん、でもそれをサンタさんに見いだされて見事にみんなの役に立つヒーローに。しかも幼い子どもたちにプレゼントを配っていく・・・いい話ですよね♪
誰しもいろんなコンプレックスがあるものですが、この話を聞くと、自分が欠点と思っていることも、ももしかしたら誰かの役に立つかもしれない、なんて思いますね(^o^)
2)トナカイさんの名前は?
それでは、トナカイさんの名前です。
当初の8頭については、前の項で触れました、クレメント・クラーク・ムーアさんの「A Visit from St. Nicholas」にしっかりと記載されています。
And he whistled, and shouted,
and called them by name;
Now, Dasher! now, Dancer!
Now, Prancer and Vixen!
On, Comet! On Cupid!
On, Donder and Blitzen!
To the top of the porch! to the top of the wall!
Now dash away! dash away! dash away all!
サンタさんは、口笛を吹いて、そして叫び、
トナカイさんたちの名前を呼びました。
さぁ、ダッシャー! ダンサー!
プランサー! ヴィクセン!
コメット! キューピッド!
ドンダー! ブリッツェン!
ポーチの上まで、壁の上まで
頑張って!頑張ってくれよ、みんな!
それぞれの名前の意味は
ソリを引く順番で
ダッシャー(Dasher)突進する者
ダンサー(Dancer)踊る者
プランサー(Prancer)威勢のいい馬
ヴィクセン(Vixen)口やかましい女
ドゥンダー(Donder)雷(独語)
ブリッツェン(Blitzen)稲光(独語)
コメット(Comet)ほうき星
キューピッド(Cupid)恋愛の神
ソリが走っていく雰囲気に合っているものもありますが、
ちょっと?がつく名前もありますね(笑)
そして、先頭を行く “赤鼻のトナカイ” ルドルフ(Rudolph)。これは元々ドイツ語からきている言葉で、ドイツ語圏・英語圏の男性によく使われる名前。「高名な」「名声のある」というような意味があります。
3)トナカイさんたちの性別は?
これはいくつか説があります。
(1)全員メス説
トナカイはオスメス両方に角があります。これはシカ科の動物としては大変珍しいそうです。ただ、角が抜け落ちる時期が違っていて、オスは秋から冬にかけて抜け落ちます(メスは春から夏)。ということで生物学的にいえば、12月25日にしっかり角のあるトナカイさん達はメスということになります。納得!(笑)
(2)オスメス混合説(名前から)
ルドルフは男の名前ですし、キューピッドも恋愛の神のキューピッドは男性と言われています。
ダッシャーやドゥンダー、ブリッツェンも男性的に使われる言葉で、これらはオスではないかという説もあります。
(3)去勢されたオス説
トナカイの角はオスの方がかなり大きいそうです。メスのトナカイは秋から冬に角が伸びてくるそうで、それを聞くと、サンタさんのソリを引くトナカイさん達を見ると、大きな角を持っているので、やっぱりオスかな、って思います。
オスのトナカイは繁殖期になると荒っぽくなり、オス同士で喧嘩をして危険なので、去勢をするそうです。去勢をされたオストナカイは角が抜けなくなるということなので、確かにこの説も、聞くと信憑性がありますね。
とはいえ・・・
あくまでファンタジーの世界。自分で書いてて言うのもなんですが、生物学的な正解を追ったり、去勢がどうというのもなんだか夢のない話と思いませんか?
童話の世界の話として、「女の子のトナカイさんと、男の子のトナカイさん両方が仲良くひっぱってるんだよ」とした方がいいなぁと、個人的には思います(^o^)
4)ルドルフ誕生の秘話
第1章でも書きましたが、童話『ルドルフ 赤鼻のトナカイ』は1939年にロバート・L・メイという通販会社の社員さんが創られたものです。
この話には有名な実話があります。そのお話の概略をお話します。
ロバートは、世界恐慌の時代、安い賃金の上に残業で大変でした。
唯一の喜びは妻のエヴリンと、小さな娘のバーバラでした。
お金はなくても幸せだった家族でしたが、バーバラが2歳になった頃から、妻のエヴリンが癌に冒され寝込むようになりました。
ロバートの必死の願いも虚しく、エヴリンは次第にベッドから起き上がることもできなくなってしまいました。
4歳になっていた娘のバーバラはパパに聞きました。
「ねぇパパ、ママはどうして寝たきりなの?他の子のママと違うの?」
その時、娘を慰めようと即興で語り始めたのが、赤鼻のトナカイ・ルドルフのお話でした。
それはロバート自身の幼い頃を思い出し重ね合わせて語ったものでした。幼い頃、彼はひどく痩せていて、そんな彼をクラスメートはからかい、泣かせて喜んでいた。でもそれを彼は我慢し頑張って乗り切ってきました。
真っ赤な鼻で苦しんでいてでも、サンタさんに見いだされ、みんなの役に立てた話に、娘バーバラはとても喜んだそうです。
そして彼はその話を本にして、娘へのクリスマスプレゼントにしようと、仕事の傍ら、手作りで本を作っていきます。
そしてもう少しで仕上がるという頃・・・妻エヴリンが他界してしまいます。
悲しみの中で作業を続けたロバートはその本を完成。娘にクリスマスプレゼントします。彼女もママを亡くした寂しさの中、とても喜びました。
その数日後、ロバートは会社のクリスマスパーティーに呼ばれます。気が進まないまま出席した彼でしたが、その場で、ルドルフの本を開き、自分が書いた詩をみんなに読み聞かせました。
会場が静まり返りそして彼の声だけが聞こえ、朗読が終わると一斉に大きな拍手がおきました。
・・・これは1938年にあった本当の話だそうです。
手作りの本は、翌1939年に「赤鼻のトナカイ”Rudolf the Red-Nosed Reindeer”」と題されデンバー・グレン(Denver Gillen)の挿し絵が添えられて、彼の通販会社から宣伝用にと無料で240万部配られました。
これをきっかけに、ルドルフのお話は世界中に広がっていったということです。
きっと天国の奥さまも喜んでいらっしゃったでしょうね。
5)音楽:赤鼻のトナカイ
おなじみの「赤鼻のトナカイ」の曲は、ロバートの義兄弟であるジョニー・マークスがそのストーリーを下に制作され、1949年にジーン・オートリー (Gene Autry) の歌でレコードが発売され、大ヒットとなりました。
以来、ビング・クロスビー、ディーン・マーティンなど錚々たる歌手に唄われクリスマスの定番として愛され続けています。変わったところでは、リンゴスター、泉谷しげる、中村あゆみなども歌ってるんですね。
6)おまけ/トナカイさんの画像ダウンロードサイト
最後に、クリスマスのトナカイさんの画像をダウンロードできるサイトをご紹介します。
全て無料ですが、それぞれに使用規約がありますので、
それを読んで問題がないように注意して使ってくださいね。
http://www.wanpug.com/illust54.html
http://www.wanpug.com/illust55.html
http://www.wanpug.com/illust197.html
http://tukurikata.pya.jp/archives/3912
http://azukichi.net/season/12_christmas.html
クリスマスの日、子どもさんと一緒にトナカイさんの話題で楽しく過ごしてください♪
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