広島生まれ広島育ちの私にとって、牡蠣は小さい頃から普通に食べていて、大変馴染みのある食材です。
カキフライはもちろん、酢ガキ(生牡蠣)もよく食卓にのぼったし、今でも大好きです。
ただ、確かに、牡蠣の食中毒も時おり話題になりますし、実は、恥ずかしながら私自身も、かつて一度あたったことがあります。(>_<) 牡蠣が美味しい季節です。その時の反省も含め、もう一度牡蠣の食中毒について、その症状やそうならない方法についてまとめました。
牡蠣の食中毒は、ノロウイルス、腸炎ビブリオ、貝毒などによるものです。中でも最も多いのは、牡蠣の旬でもある冬場に大流行するノロウイルスです。
この記事でも、主としてノロウイルスについてお話します。
(腸炎ビブリオは夏場に起こりますが、2001年の安全基準の改正後、劇的に減りました。ごく微量の貝毒はどうしても残りますが、国や各都道府県での検査体制により、問題のある牡蠣が店頭に並ぶことはありません)
それでは問題の、ノロウイルスによる冬場の食中毒です。
確かに牡蠣で食中毒を起こすとひどいものです。そしてそのほとんどは生で食べた場合です。私の場合もそうでした。
ただ、フライなどの調理をしても、加熱が充分でなかった場合、ノロウイルスが死滅していないことも考えられます。(後述しますが、「食品の中心温度が85度以上で1分間以上の加熱」が必要とされています)
牡蠣の食中毒の症状は?
まず、私自身が体験した症状をお話しますね。
もう30年くらい前の話になりますが・・・
私が正月休みで帰省した後、おみやげとして会社に牡蠣を持って行きました。それを同僚数人と一緒に、生のままお醤油で、一人につき2、3個ずつ食べました。朝10時半頃だったと思います。
夜帰宅し、そろそろ寝ようかなと思っていた11時頃、お腹がちくちくと刺すように痛んできました。
変だなぁと思っていたら、それから少しして、痛みが強くなり、思わずトイレに飛び込みました。
それからあとは・・・ 汚い話で詳しく書くのもはばかられますが・・(-_-;)
まぁとにかく、おしっこのような下痢が10分おきに繰り返し襲ってきました。
寝るどころではなく、何時間もトイレにいるような一夜でした。
翌日会社に行くと大騒ぎになっていて、食べた同僚は皆、同様の症状があったそうです。自分も大変な思いをしましたが、皆にも悪いことをしてしまいました。
私のはひとつの例として、次に<一般的な症状とされているものをまとめます。
感染から1日〜2日(まれに速い場合は20時間程度のこともある)
<初期症状
- 吐き気
- 微熱
- 腹痛(ちくちくと刺すような痛み)
- 全身倦怠感
<症状が本格化すると
- 嘔吐
- 差し込むような強い痛み
- 下痢(激しい水のような便)
- 下痢による脱水症状、体力の消耗
私の場合はほぼ半日で出ていますから、かなり早く出た方かと思います。一般に1日くらい経ってから出ることの方が多いようです。
昔のことで記憶があいまいですが、嘔吐はしなかったし熱もなかったと思います。ただ、それ以外の症状はまさにこの通りでした。個人差もあれば体力の差、ウィルスの毒性の差もあるのかもしれません。
私の兄のところでも、かつて家族全員があたったことがあると言っていました。生の牡蠣は確かに怖いところがあります。
もし今、初期症状かと思われたら
もし今これをお読みのあなた、あるいはご家族の方が、きのうかおととい生または生焼けの牡蠣を食べて、吐気がしたり、ちくちくとお腹が痛くなってきていたら、牡蠣があたった可能性があります。
初期症状としては、前項でも書きましたが、
<1.吐き気 2.微熱 3.ちくちくと刺すようなお腹の痛み などです。
私の場合はちくちく痛いのが1〜2時間続いて、その後急にひどい下痢になり、夜中の数時間続きました。一般的には先に嘔吐がきてその後に下痢が来ることの方が多いようです。
牡蠣にあたったのが疑われるようでしたら、やはり早めに病院に行くことがいちばんだと思います。
ただ、もしわりに軽い状態なら、少し様子をみる手もなくもないです。その場合は、
- スポーツドリンクをゆっくり飲む(脱水症状防止のため)
- ヨーグルトやバナナ、おかゆ、煮込んだうどんのような、消化の良いものを食べる
これらで改善する可能性はあります。
とにかく胃や腸に負担をかけないこと。香辛料の強いもの、脂肪の多いもの、繊維質の多い野菜やきのこ、こんにゃく、海藻などもNGです。アルコールも脱水を促しますから避けてください。
また下痢がひどいからと強い下痢止めを飲むのは要注意です。
下痢はウィルスを体外に出そうという自然な反応なので、むやみに強い下痢止めで止めてしまうとウィルスが体内にとどまることになるからです。
嘔吐は長くても12時間で治まることが多いようですが、下痢は3〜4日続くことが多いそうです。私の場合は嘔吐はなく、下痢もその晩ひと晩で治まりました。
そういう意味ではあまりひどくなかったとも言えますが、その夜は強烈でした。(~_~;)
やっぱり牡蠣は危険?
ここまで読まれると、「あー やっぱり牡蠣って危険よね」と思われるかもしれませんね。確かにそれは一面の真実ですが、<ちょっと待ってください!
牡蠣は栄養がとても豊富だし、本当に美味しいです。何が危険なのかをきちんと知れば、安全に美味しく食べられますよ。
安全に食べるための5つのポイント
それでは牡蠣を安全にいただくためのポイントを5つ書きます。
(1)生食用と加熱用が新鮮さの違いというのは大きな間違いです。
牡蠣は成長の過程でどうしてもいくらかの雑菌等を溜めてしまいますが、それが極力少なくなるように、特別な清潔な海域で育てたのが「生食用」。そしてそれ以外の海域で育てられたものが「加熱用」です。
「加熱用」とされた牡蠣については絶対に生で食べないでください。
牡蠣にあたったという話のほとんどが、その間違いをしたか、生焼けで食べた時です。ノロウイルスは熱で死滅しますからきちんと加熱をすれば大丈夫です。兄のところも加熱用を生で食べてしまったそうです。
※加熱用と生食用の違いについては別記事にも書きましたのでよろしければご覧ください。
⇒『牡蠣の加熱用と生食用の違いは?鮮度の違いと思ったら危険!』
(2)「良く洗えば大丈夫」ではありません!
ノロウイルスや大腸菌は牡蠣の中に蓄えてあるわけですから、表面をいくらきれいにしたからといってもダメです。
(3)購入時は表示を確認しましょう
牡蠣を購入する際は、「加熱用」「生食用」の表示を見ると同時に、県や地域の漁協などの基準をクリアしていることが明記されているどうかを確かめてください。
(4)きちんと加熱調理すれば大丈夫!
調理の際に「食品の中心温度が85度以上で1分間以上の加熱」で安全とされています。逆に、60度程度の加熱では30分加熱しても死滅しないので、調理の際は気をつけてください。100度でしっかりと熱を通せば全く問題ありません。
(5)外食の場合はやはり生牡蠣には注意
牡蠣を出している飲食店は、もちろん十分に気をつけているはずです。それでも、団体向けなどのコース料理に生牡蠣が入っているものは、一応避けた方が安心ではないかと思います。
大丈夫!牡蠣は安全に食べられます。
牡蠣は滋養豊富で、体を元気にし、肌をつやつやにし、肝機能を高めます。
美味しい季節にぜひ味わってくださいね!
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