以前このブログで、音楽編集ソフト「Audacity」を使って、曲をカットしフェードアウトさせる方法、2つの曲をフェードアウト・フェードインを使って自然につなぐ方法などをお伝えしました。
→音楽編集ソフトのおすすめはAudacity!その簡単な使い方
参考になりましたというメッセージも頂戴し、お役に立ててとても嬉しく思いました。
先日、少し違う形で曲の編集をしましたので、今日はその話をしたいと思います。
私は毎年この時期になると、ダンス曲の編集をします。
隣町の公民館のダンスサークルのメンバーになっているのですが、毎年10月に「市民センター祭」があり、そこでの発表会のための曲作りです。
これは去年の市民センター祭の出番前のワンカットです(笑)
持ち時間は毎年20分程度。その20分をどう構成するかは、その年によって異なります。
去年はパーティー形式に自由に踊っていけば良くて、曲の編集も、単純に後ろをサクッと削除して、最後を徐々に小さくしていく「フェードアウト」の処理をするだけでした。Audacityのエフェクトメニュー>フェードアウトで簡単にできます。
今年ですが・・ちょっと様相が違います。
各曲、もう少しビシッと終わらせたい、という先生の希望もあり、今年はどの曲も曲の間を抜いて、エンディングは元の曲を生かして、ジャーーン、ときれいに終わるように考えることになりました。
各曲、CDの元の曲は2分半程度、これを1分半〜2分程度に「間を抜いて」「もちろん自然につなげて」作らないといけません。
さてさてどういう風にやるべきか・・・私がやった方法を書きますので、よろしければあなたも試してみてください。
曲は市販のダンス用CDから。ワルツは「恋は優しい野辺の花よ」他、タンゴは「メルセ寺院の鐘」他です。
実際に編集した音声ファイルを載せて聴いていただけたら分かりやすいのですが、著作権侵害となり掲載できないので申し訳ありません。
必要なもの
- パソコン
- Audacity
- 耳(笑)
今回の記事は相当アナログです(笑)。耳はかなり大事です。p(^-^)q
編集の方法
1)曲を何度も聴いて、曲の構成を知る
まず最初に、この段階が重要です。曲を聴きながら小節をチェックします。
私は「1・・ 2・・ 3・・」と曲に乗って口ずさみながら、正の字を書いていきます。
ワルツは3拍子、タンゴやルンバなどは4拍子ですから、それぞれ正の字の3画目まで、4画目まででずっと書いていきます。
曲にもよりますが、通常、2小節または4小節単位で繰り返したり曲調が変わります(ワルツで3拍×2か3拍×4、タンゴで4拍×2か4拍×4)ので、それの区切りも聴きながら切っていきます。
2、3回通して聴けばここまでの作業はできると思います。最初を0秒として、主だったところの経過時間を書いておくと後の作業が楽です。
ダンス曲は単純に作ってあるものが多いです。
↓
基本のメロディー(A)
↓
それを少し変化させたもの(A’)
↓
ちょっとイメージの違うメロディー(B、B’)
↓
エンディング
という構成のものが、かなりの割合を占めると思います。
聴きながら「イントロ」とか「A」「A’」「B」「B’」「エンディング」などメモをしておけばさらに後の作業が楽です。
今回の作業のイメージはこんな感じです。繰り返しのところを聴いて、削除しやすそうなところを削除して繋げ、短くします。
2)削除する部分の当たりをつける
自然につなげるためには中途半端なところで繋ぐわけにはいきません。上記「A」「A’」「B」「B’」単位、通常2小節か4小節の単位でカットすることになります。
しかも、カットし繋げた後で前後の曲調が不自然でないようにしないといけません。
そこが最も難しく、ある意味最も面白いところです。
さらに何度も聴いて、この部分ならカットしてもおかしくないと思うところを当たりをつけます。
コツとしては、なるべく変化が少ないところで繋げる方が易しいです。
- 楽器が似たところで繋げる
- 曲調が似たところで繋げる
- 歌モノは歌の途中でなくインストロメンタルのところで繋げる
- 繰り返しの部分で繋げる
(曲によっては、変化するところで繋げやすいこともあります)
ダンス曲は単純な繰り返しが多いです。2回繰り返す部分は1回にしても気にならないことも多いので、そこを利用すると比較的簡単にうまくいきます。
3)曲データの後半をカットし別トラックに移し、作業をしていく
以下、実際のAudacityの画面を見ながらご説明します。
これは『メルセ寺院の鐘』をAudacityで開いたところです。ステレオなのでトラックは2つあります。
先ほどの作業でだいたいカットする場所の当たりが付いていると思うので、そこからエンディングまでを選択し、
編集>オーディオまたはラベルの削除>切り取り し、
トラック>新しく追加>ステレオトラック で新しいトラックを作っておいて
編集>ペースト でベーストします。
これで編集の準備ができました。
ここでできればもう一つステレオトラックを作って、今と同じものをもう一つ作っておけば作業で短くしすぎた時も安心です。
そういうトラックはトラックの一番左端のところで、小さいのですが「ミュート」というボタンが付いているので、それを押しておくと音が出ませんので作業が楽です。
さらにここから削除する部分を選択し、deleteキーを押せば削除されます。
●音を聴くのは、聴きたいところにカーソルを入れて、右向きの緑の三角のアイコンのクリックで聴けます。
●Audacityは 編集>取り消しを使ってかなり戻れますので、失敗したと思ったらどんどん戻ってやり直すことができます。
最初はざっくり入れてみて曲の流れが不自然でないかを確認していきます。
ここも耳が大事なところです!(笑)
4)仕上げと微調整
微調整の時は、虫眼鏡のツールを使って拡大した方がやりやすいです。
何度も聴き、全体を移動しながら、スムーズに繋がるところを探っていきます。
最終的にここでいけそう、というところを見つけ、きちんと重ねていきます。
(この段階で、どうもすんなり自然にならないということもあります。その時は最初に戻ってよく考え直しましょう)
きちんと重ねる時、強弱の波をぴったり揃えるようにします。
音の強弱・・ズン チャ ズン チャ というリズムがAudacityでは波の高さで表示されます。
その大きさはまちまちですが、一定のリズムで波があるのがわかると思います。
それをぴったり合わせるように移動ツールで左右に慎重にドラッグします。
Audacityにトラック同士を簡単に比較する機能があればいいのですが、ありません。私はパソコンの画面に定規を当てて揃えました。
これが少しずれると、ズン!が、ズズンとなっておかしいし、踊っていてもその微妙なずれは気がつくものです。ここは神経を使って微調整します。
上の画像ではまだ重なった部分が多いのですが、繋げた時になるべくきれいに聞こえるよう、前後の重なった部分はなるべく削除していきます。
前の記事では、フェードイン・フェードアウトで自然につなげる、というのを解説したのですが、この、リズム(波)をぴったり合わせるということをやるなら、フェードイン・フェードアウトは不要です。
最終的に通して聴いてみて不自然でなければ完成です!
この後は、メニューの ファイル>書き出し
フォーマットは「MP3ファイル」にすることで、CD-Rに書き込めるMP3ファイルになります。
後はCD-Rに書き込めばOK!仲間の皆さんと聴けますよ!
※2年前の記事なので今はもっと便利なソフトがあるかもしれませんが・・
→CDを焼くソフトのおすすめは?簡単にオリジナルCDを作ろう!
文章で説明するのは難しいですね。もしわかりにくい部分はどうぞコメントでお問い合わせください。
途中を抜いて自然に繋ぐのはなかなか骨の折れる仕事です。さらに、全体の時間が決められたり、小節数を決められたりするともっと大変な作業になります。
でも全然わからないくらいにうまく繋げられたら、それは誇らしいし、ものすごく嬉しいものです。
何より仲間の皆さんに喜ばれます!
あなたもどうぞトライしてみてくださいね!
⇒曲のテンポを変える方法!Audacityで簡単にできる!
音楽編集ソフトのおすすめはAudacity!その簡単な使い方
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