この記事を書いたのは、5月、俳優の今井雅之さんが、自らがステージ4の大腸がんだと告白する会見を開かれた日でした。
とてもお気の毒に思いながら、回復を祈っておりました。しかし残念ながら訃報をお聞きすることになり、今もとても残念な思いでいます。
というのも・・大腸がんは私にとって他人事ではないからです。
姉が40代の終わり頃から大腸がんになり、3年間苦しんだ末に、52歳の若さで逝きました。父は80歳を超えて大腸がんになりました(父は手術をして幸い治りましたが大変でした)。
私自身は今のところ大丈夫ですが、さすがに遺伝が気にもなるし、年齢的なこともありますし、定期的に大腸内視鏡検査を受けています。
大腸がんの罹患者数は年々増えてきています。特に女性ではがんの中で最も死因が高いのが大腸がんです。怖いですが、大腸がんはゆっくり進行していくがんです。きちんと検査をしていれば早期発見ができ、治せます。
それでは大腸がんの初期症状をお伝えします。
大腸がんの初期症状は?
文字通りの「初期」ということで言えば
大腸がんの初期症状はほとんどありません。
痛みもなく、気づかないのが初期だという答えになってしまいます。
実際、この記事で書くほとんどの「自分でわかる初期症状」は、がんがある程度大きくなってきてからのものです。だから怖いのです。
ただ、人によっては、大腸がんの初期の段階で、おならや便のにおいが変わってきた、腐敗臭のようなかなり嫌な臭さになってきたという人もあります。なので、もしそういうところに変化を感じられたら要注意です。
いずれにしても、初期段階では本当にわかりにくい大腸がん。
だからこそ、なんでもないけど検査するということが本当に大事なんです!
(検査ってなんか怖いし、特に大腸がんの検査は場所が場所だけに抵抗もあるし・・という気持ちはよくわかりますけど・・・)
それはともかく、あなたかあなたのご家族が、すでに気になる症状があるかもしれませんね。
検査の話は後回しにして、症状の話を続けましょう!
実際に起きてくる症状は
繰り返しになりますが、以下に書くもろもろの症状は、大腸がんの場合、ある程度進行してきてからの症状です。
もちろんそんな症状が現れてきたからといって、即、大腸がんだとパニックになるのも間違いです。同じ症状で別の病気の可能性もあります。でもそれにしても、すぐに病院に行って検査をしましょう。
また、仮にそれが大腸がんから来るものであったとしても、大腸がんはほとんどの場合進行が遅いですから、この時点で発見すれば、完治する可能性は十分にあります。
心当たりのことがあったら、恐れたり恥ずかしがったりせず、まずは大きな病院で検査をしてもらってくださいね。
それでは、以下、大腸がんが進行してきて実際に体に起きてくる症状をまとめました。これらの項目に心当たりがあると要注意です。
お腹が痛いのが続く
がんが腸の中で大きくなって、便が通過する時にそれを押したり圧迫することで腹痛が起きます。
また、便の通りが悪くなることでお腹の調子が悪くなり、腹痛や下痢が続くことがあります。便が残っている感じがすることもあります。
さらに進行が進んでしまうと、がん性腹膜炎といって、がんが腸をおおう「腹膜」に達して局所的な強い痛みとなることがあります。ここまでくると危険です。
便に血が混じっている
がんから出血するために便に血が混じります。
鮮やかな色の血がついていた場合、肛門に近い部分にがんができている可能性があります。小腸に近くなるほど、鈍い色になってきてわかりにくくなります。もっと小腸に近いと便も液体状になるため、血液が混じっても見た目ではわからなくなります。(検便での便潜血検査で血液が混じっているかはわかります)
痔がある場合も便に血が混じることがあり、区別がつきにくいです。
下血がある
肛門から出血するのも大腸がんの可能性があります。ただしこちらも痔がある場合も出血することがあります。素人では判断できませんから必ず病院で診てもらってください。
便秘と下痢を繰り返す
「過敏性腸症候群」などでも便秘と下痢を繰り返すことはありますが、これは大腸がんの特徴でもあります。
腸の中でがんが大きくなってくると便が通りにくいので便秘になります。それを無理に出そうとすることで、腸の動きが活発になって下痢を起こすことになります。これを繰り返します。父の場合、病院に連れて行く前に、明らかな便秘と下痢の繰り返しがありました。
便が細くなる、ぽろぽろとした小さい便が多く出る
これらはがんが大きくなって、大腸が狭くなっている可能性があります。
排便した後も残っている感じがする、便意があるのにトイレに行っても便が出ない
これもがんが大きくなって直腸を刺激している可能性があります。
貧血が続く
がんからの出血があるために、常時、貧血状態になります。めまいを起こしたりします。
その他、いつもお腹が張っている、肛門が痛い、吐き気がする、体がだるい という症状もあります。
姉は当時かなり身体がだるそうで、よく横になっていました。
繰り返しますが、これらの症状があったからといって大腸がんだと決めつける必要もありません。思い込みは危険です。
それにしても、不安を抱えて生活するより、きちんと検査を受け、そうであるかないかきちんと調べた方が、後が楽じゃないですか。
何もなければ「よかったね」ですし、もし仮にがんが見つかったとしても、それは間違いなく「今みつかって本当によかったね」なんですから。
痔(血便、下血)、虚血性大腸炎(下痢、腹痛)、過敏性腸症候群(下痢と便秘が繰り返す、便秘)、クローン病(腹痛、下痢、貧血、だるさなど)、大腸憩室症(発熱、血便、お腹の痛み)
など<
注意! 場合によってはセカンドオピニオンも必要!
病院に行く際に、私がすごく思うのがこの点です。
今井雅之さんの場合・・・「腸の風邪」と診断された。
「腸の風邪」とは、ノロウイルスや腸炎ビブリオなどのウイルス性胃腸炎のことを言います。今井さんは最初に診てもらった病院で腸の風邪と診断され、しばらくたっても治らないので再度行ったら、また腸の風邪と診断されたそうです。
この時、別な病院で診てもらっていたら、と思うと本当に残念です。
姉の場合も同じでした。
姉が最初に診てもらったのは、近所の比較的大きな個人病院で「神経性の腸炎」と診断されました。精神的なものだから気持ちを楽に持って生活しなさいということです。
姉はそれを信じて1年間様子をみましたが治らないので、再度同じ病院に行きました。そしてまたも同じく「神経性」と診断されました。さすがに2度目にはだんな様がおかしいと言って、総合病院に診てもらったら大腸がんでした。
最初の時に総合病院で診てもらっていたら・・・と今でも思います。
もちろん最初の病院でも一生懸命診察してくれたとは思います。誤診をしたと批判をするつもりはありません。ただ、姉がもしセカンドオピニオンを求めていたら・・と思うととてもとても残念で仕方ありません。
大腸がんの精密検査にはいろいろなものがあります。ざっとですが触れておきます。
指を入れての直腸触診検査 肛門付近にがんがあった場合は有効です。
注腸造影検査 検査の前の日に検査食を食べ、当日はバリウムを入れていくつかの角度からX線写真を撮ります。凸凹の形などはよくわかりますが、細かい状態はカメラに比べれば劣ります。
大腸内視鏡検査 いわゆる大腸カメラです。大腸内の様子がよくわかりますし、腫瘍やポリープがあれば検査中に切除することが可能です。チューブを長く挿入するため検査中少し苦痛を感じることがあります。私はこれを5年ごとに受けています。
CTコロノグラフィ検査 「仮想内視鏡」ともいわれ、腸にガスを入れて特殊な機械で腸をさまざまな角度から撮影し立体化して見ることができるものです。お腹が張る苦痛がややありますが全体的に楽な検査です
MRI検査 強い磁気を使った検査で立体画像を作り診断するもので、体の負担は少ないですが、できる病院が限られます。
PET-CT検査 大腸がんにもかなり有効ですし、大腸がん以外の全身のがんが発見できる可能性がありますが、CTやMRI以上にできる病院が限られていますし、費用が高額です。
繰り返しになりますが、今回書いたような症状に該当するようでしたら、安心のためにも、一度大きな病院で検査なさってくださいね。
そして念のために大腸がんの可能性も考えた上での検査を受けることを強くお勧めします。
どうぞお大事に!
当ブログの大腸がん関連の記事は、こちらにまとめましたのでご覧ください。↓
大腸がんにならない生活をしたいものです!↓
コメント
コメント一覧 (2件)
この度は詳しく教えて頂きありがとうございました(^-^)/
私は、貧血で何度も引っ掛かってる為に、念のため大腸CT検査をしました★
結果は、一週間後にわかります。
検査の為の準備(食事制限やお薬の時間等)面倒ですが、気持ちの上でもハッキリするのでやってよかったと思います(^_^)
検査事態は、そんなに時間もかからず楽でした★
ローズさん 初めまして。管理人のmacckeyです。
コメントありがとうございました。
貧血はいろんな原因で起こるようなので
必ずしも大腸がんが疑われるわけではありませんが、
思いきって大腸検査をされたのはとても良かったと思います。
記事にも書きましたが、大腸がんは全く気づかないままに
進行してしまうのが最も怖いところです。
検査をすることでその辺がクリアになりますから、検査はとても大事なことです。
なにもないといいですね。
それにしても、貧血どうぞお大事になさってくださいね。