私は仕事の関係で奥さんとは別暮らしをしており、毎晩電話でいろんなことを話すのですが・・
10日ほど前です。「今日こんなことがあったんだけど・・・」と話してくれたのが、この記事に書く、Googleストリートビュー撮影の勧誘営業についてです。
結論を言えば契約はしなかったので、その会社が本当に「悪徳会社」だったり「騙し」だったのかはわかりません。まともな会社だったのかもしれませんが、その営業のやり方などに不信感を感じさせる部分が多かったのは事実です。
ネットの口コミや記事を見ると、Googleストリートビュー撮影の営業について、怪しげな勧誘に遭ったというものも多く見られます。今回の私たちの経験がなんらか皆さんのお役に立つのではないかと思い、記事にすることにしました。
奥さんのお店にあったGoogleストリートビュー撮影の勧誘
1)奥さんのところに突然電話がかかってきた
先月下旬のことです。奥さんの店に一本の電話がかかってきました。見知らぬ携帯番号です。

彼が言ったことをまとめると
- Googleのストリートビューの撮影をします。あなたの希望する場所や角度で撮ります。
- 撮影した画像は適宜修正もします。
- Googleへの登録作業も当社で行います。
- これらの費用は通常10万円くらいですが(注:X社のチラシでは7万円〜15万円とある)無料です。
- 交換条件として、現在の電力会社から新電力へ切り替えが必要ですが、電気代も少しは安くなります。
という話で、未知の新電力へ切り替えに不安が残るものの、お金はかからないし、電気代は安くなると、いいことずくめです!
奥さんはもちろんパソコンもネット検索も使いますが、技術的なことにそんなに詳しいわけではありません。
ということで、その日の夜に私に聞いてきたのですが、私も最初は、

というくらいでした。
でもよく考えるとやはり怪しいという気がしてきました・・・。
2)営業マンB氏から電話がきた
最初に電話をかけてきたのは「A氏」でしたが、

と言って切られて、その後、営業マンB氏と名乗る人物から電話がありました。

これも携帯の番号だったそうです。まぁ営業マンはあちこち動くのでそんなこともあるでしょうが、最初の電話といい、ちょっと変な気もします。

数日後に訪問を受けることにし、その時は終わりました。
3)B氏ではなく来たのはカメラマンだった!
訪問予定の当日、奥さんはちょっと用事ができて、少し時間を遅くしてほしいと思ったそうです。それでB氏の携帯に電話をしたのですが・・・。
何度かけても出ない、しかも留守電にもならないのでメッセージも残せない。仕方ないのでそのまま用事に出かけましたが、営業マンの携帯につながらないということに、不信感あ募ってきたと言っています。

時間になり、訪問してきたX社の人と外出先で話ができ、自分が戻るまで待ってもらいました。
で・・・戻った奥さんに挨拶した人は・・・
B氏ではなく、カメラマンだというC氏でした。

奥さんはなにより営業マンが来ると思ったのが、カメラマンだったことに驚いたそうです。
そして当人もカメラマンだということで、契約など営業的なことはよくわからないといった風だったそうです。
カメラマンの人だというのは嘘ではないでしょうけどX社の正社員ではないのかもしれません。それにしても、契約の説明に営業の人が来ると思わせておいて、契約の詳細がわからない人が来るというのはとても変です。
渡されたチラシも正直あまり内容のないものです。
2)X社からの説明はD氏が担当
現在の電気代がわかる資料をX社にFAXして10分あまり、X社から電話がありました。今度はさらに別の、D氏という人物です。

奥さんが即決はできないと言うと「なぜ今決められないですか」「あなたが社長じゃないんですか?権限がないんですか?」などと、やたらに今すぐの契約を言ってきたそうです。
契約を急ぐのってだいたい怪しいですよね。
この時点で奥さんはかなりうさんくさいと感じていたようです。
特に彼女が不審に思った点は4点。
- 短い間に登場人物が多過ぎる(本社A氏、営業B氏、カメラマンC氏、本社D氏)
- こちらからの連絡がつかない
- 営業の人ではない人が来る
- やたらに契約を急がせる
などです。

として、D氏の電話も切り、カメラマンC氏にも帰ってもらいました。(この時点では完全に断ったわけではありません)
詐欺かどうか?私がチェックしたポイントは
私はその日の夜、奥さんからくわしい話を聞きました。当初私はこの話はそこまで変なものではないのだろうと思っていました。
ですが、確かに「やたらにすぐ契約させたがる」は問題のある営業の典型です。
また、4人も入れ替わり登場人物があるのも、混乱させる手段のようにも感じます。
X社や新電力のA電気のことを調べてみないと、と思いました。
チェックしたのは大きく以下の5点です。
- もらったチラシをもう一度よく見てみる
- X社のホームページを探して見てみる
- Googleの公式ページで「Google認定フォトグラファー」を確認する
- ネットの口コミをチェックする
- 話に出た新電力もチェックする
以下、少し詳しくお伝えします。
1)もらったチラシをもう一度見てみた

チラシを見るポイントは、住所や電話番号がきちんと書かれているかと、サービス内容や注意点が正しく説明してあるかです。
すると・・・
連絡先の電話番号が 0120~ のフリーダイヤルだけしか書いていない、住所もない
名刺にも、営業チラシにも、社名はありますが、会社の住所が書いてありません。連絡先は 0120~ のフリーダイヤルひとつだけです。いくらスマホが主流とはいえ、ビジネスでは固定電話が書いてあるのが普通ですね。
サービス内容については良いことだけしか書いてない
チラシの表面は通常7万円〜15万円する費用が0円で良いということだけしか書いてありません。
普通の商取引であれば当然、先方の利益がどこで出るかというのを明記すべきで『0円で良い代わりにこれこれが必要』ということが書いてあるべきですが、それが全くないのは極めて不誠実です。
チラシ裏面はGoogleストリートビューの説明とメリットですが、これも中途半端で、誤解されやすいものだと感じます。
2)ホームページを探してみた
次に、X社の社名からホームページを探してみました。
きちんと業務が書いてあるか、連絡先などが正しく書かれているか、などがポイントです。
ホームページはちゃんとありました。業務内容は「Googleストリートビュー撮影」となっているので、ここも間違っていないです。ですが会社情報は変でした。
「会社情報」のページに住所と電話番号が2つ書いてある
「会社情報」のページを見ると、A、B2つの住所が載っていて、片方が営業チラシにある 0120〜 のフリーダイヤル、片方は固定電話が書いてあります。本社/営業所かもしれませんが、特にそういう表記もありませんし、スッキリしません。
3)Googleの公式ページで「Google認定フォトグラファー」を確認した
Googleには、ストリートビューを撮影する会社をいくつかの条件のもと認定する「Google認定フォトグラファー」というシステムがあります。
この認定がないとストリートビューを撮影・アップできないというものではないと思いますが、仕事としてストリートビューを撮影する会社やカメラマンであれば、通常、認定を受けているだろうと思います(すごく大変なわけではないようですし)。
この、「Google認定フォトグラファー」の一覧を見られる公式ページがあります。
ここでX社の登録を探してみましたが、少なくともX社の住所で検索した限り、この一覧にX社の名前はありませんでした。「ストリートビューを撮影する会社」であれば当然認定は受けているのが普通ですよね。
ちなみに、X社のホームページのトップページには「X株式会社はGoogle認定フォトグラファーです」と書かれています。
またX社のチラシには「Google認定パートナー」と書いてあります。ストリートビューを撮影では「Google認定パートナー」とは言わないので、ここもちょっと気になりました。(Googleの広告関係で「Google認定パートナー」というものはあります)
4)ネットの口コミをチェック
今は便利というか恐ろしい時代ですよね(笑)。電話番号で口コミを投稿する掲示板がたくさんあります。そこでX社の電話番号0120-XXX-XXXXを検索しました。
2019年の7月から2020年4月までに5件の書き込みですから多いわけではありませんが・・・
2020年4月:Aさん
「電話で暴言を吐かれた」「しつこく勧誘をされて嫌な感じだった。」
2020年3月:Bさん
「Googleマップに店内写真を無料で掲載しませんかというのと、新電力に切り替えませんかと言われた。お断りしました。」
2020年2月:Cさん
「X社に数回確認の電話をしたけど、いつも担当者が不在と言われ、折り返し電話すると言われた。」
2019年8月:Dさん
「同じ会社から別の電話番号でもかかってくる。とても迷惑。」
2019年7月:Eさん
「Googleに無料掲載するかわりにNTTの防犯カメラとWi-Fiの契約を求められた。その分は毎月X社から返金すると言われたが、説明が腑に落ちなかった。」
などなど。
お金を払ったけどサービスが受けられなかったなど、被害があったと言える書き込みはありません。なのでX社が悪徳業者だということは言えません。
また、これらネットの書き込みが全て正しいコメントかと言うと、あてにならない部分があります。意図的に必要以上に貶める書き込みをする人もいますし、逆に、関係者がわざと褒める書き込みをすることもあります。
それにしても、奥さんから聞いたいろいろな話やX社について調べたこと、ネットの書き込みを総合的に見た時に、私は問題が大きいと感じました。
「君子危うきに近寄らず」と言いますが、怪しいと感じる以上、話を進めない方がいいと思います。
5)言われた新電力をチェック
A電気とは無関係
これはネットの書き込みで私が直接問い合わせたわけではないのですが、「A電気に電話して『X社って関係あるんですか?』と聞いたら無関係だと言われました」
というのがありました。
ちなみにA電気は比較的新しい会社で、正直知名度はまだ高くないですが、ちゃんとした会社と思われます。
代理店募集も積極的に行っているようですが、サイトには「弊社の代理店を名乗る悪質な業者にご注意ください。」という注意喚起の記事が上げられています。
そこから抜粋すると
- A電気の販売代理店は、営業活動の際は必ず販売代理店名を名乗ることになっている
- 営業活動に携帯電話を使用しない
- 客の意思に反した強引な営業活動はしない
とのことです。
これとX社を比べてみると
- 名刺やチラシに、A電気の販売代理店だという記述はない
- 携帯電話の番号ではないが、フリーダイヤルで営業している
- 強引に契約を迫る
ということになり、A電気とは無関係の会社だと考えられます。
X社はどこで利益を得ているの??
X社として、本業のストリートビュー撮影は無料にする、A電気の販売代理店でもない、ということになると、いったいどこで利益を得ているのか?ということになりますね。
これはあくまで私が想像するだけですが・・・
- A電気の正規の販売代理店と関係していて、そちらからマージンをもらえる
- もしくは何らかの形で別途料金をとろうとする?
あたりかな・・と思いますが、もちろんこれはわかりません。
それにしても「その会社がどこで利益を得ているのかわからない」と感じるものは、怪しいと思った方がいいのではないでしょうか。今回奥さんは訊かなかったようですが、営業の人に「御社はどこで利益を得ているんですか?」と訊くといいでしょうね。正しく答えがなければ、即お断り、です!
他のネット記事も読んでみてください
ネットで「ストリートビュー 詐欺」「ストリートビュー 勧誘 営業」などで検索してみてください。
この1、2年「Googleストリートビューの営業電話」について、いろいろな記事がアップされています。
GoogleのストリートビューはもちろんGoogleの公式なサービスですし、それを撮影するのももちろん正しい仕事の一つです。ですが、このことでGoogleが勧誘に来ることはありませんし、いろいろ怪しい会社がうごめいているのも確かだと思います。
そもそもお店の写真を上げればすぐに売上が良くなることもありません。
向こうから営業に来て、やたらにメリットを並べ契約をさせたがるのは、ほとんどの場合、先方の利益になるだけです。こちらの利益にはなりません。
ストリートビューにせよ、新電力の切り替えにせよ、興味があれば、まずは自分で調べ、いろいろ資料を取り寄せて検討するのが大事だと思います。
まとめ〜確認して欲しいポイント
最後に、Googleストリートビューの営業に対して、確認したいポイントをまとめます。
- 電話の対応が良いか、言葉遣いが丁寧か
- 会社の住所や電話番号がきちんと表示されているか
- 「Google認定フォトグラファー」に登録しているか
- (訪問があった時)検討できる資料をくれるか ※新電力の資料も
- (訪問があった時)説明が丁寧か、質問にきちんと答えてくれるか
- (新電力の切り替えを求められたら)正規の代理店契約がある会社かどうか
- 契約を急がせないか
うちの奥さんの話も、ネットで読める話も、上記のポイントに照らし合わせて変だと思うことが多々ありました。
そういう場合ははっきり断るべきです。
もちろんまともな業者さんもいらっしゃいます。もしそれらが問題なければ進められるのも良いと思います。
しっかり判断して正しく進めたいものですね。
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