大きな渦を巻きながら、猛烈なスピードで走る竜巻。
行くところ全てをなぎたおし破壊しつくし、車も木も人も大きく吹き上げて、渦に巻き込みます。
「ツイスター」という竜巻の恐怖を捉えた映画がありましたが、竜巻が通ったあとは破壊し尽くされて何も残らない・・・竜巻はそんな怖いイメージがあります。
日本ではそこまでの超巨大な竜巻はほとんどありませんが、それでも年に数回は竜巻の被害が発生します。
2012年5月、北関東で複数の竜巻が発生して大きな被害が出てしまったのは記憶に新しいところです。その時の風速は秒速100mを越え、一戸建て住宅もアパートも車も壊滅的な被害となりました。
竜巻は破壊力は凄まじいものがあり自然の力に人はなすすべを失います。
しかしそれも、滅多に経験することがないからこそ怖い、よくわからないからこそ怖い、という面があります。
きちんと身を守るポイントを覚えて 万一の竜巻に備えたいものです。
竜巻が起きる原因は?そのメカニズムは?
台風の発生のメカニズムは未だに十分には解明されていませんが、
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ということがわかっています。
竜巻は1年中発生しますが、特に秋の9月から11月が多いです。
その理由は
- 地表近くに温かく湿った空気があること
- 上空に寒気が流れてくること
- 台風が多く横風が起きやすいこと
などがあるからといわれます。
近年、都市部ではいわゆる「ヒートアイランド現象」があり、地表が温かいため、積乱雲の発生も多く、竜巻が起きやすくなっています。
竜巻注意情報とは
竜巻が発生するおそれがあるときには気象庁から「竜巻注意情報」が発表されます。
これは大雨注意報や洪水警報のようなものではなく、注意を喚起するための「気象情報」です。多くは、雷注意報とともに発表されます。
「竜巻注意報が出たって、竜巻が発生しないじゃないか」という声もあります。
確かに強い風が起きるだけで終わることも多くあります。
しかし竜巻注意情報が出る時は、いろいろなデータから、竜巻になる可能性が十分ある状態です。
万一竜巻が発生したら甚大な被害となりますので、竜巻注意報が出たら、なによりまず十分な注意をすることが大変大事です。
竜巻から身を守る 覚えておきたい4つのポイント
それぞれのポイントをご家族で話し、そして特にお子さまにしっかり伝えてください。
point1:「雷注意報」や「竜巻注意情報」に注意しよう
竜巻はモクモクと大きくできた積乱雲に伴って発生します。台風や寒冷前線、低気圧の発達する時に竜巻が起きやすいといわれており、7月から10月にかけての4か月に全竜巻の6割が集中しています。
この時期は特に注意が必要ですが、他の季節にも起きていますので心配がないわけでもありません。また、平野部や沿岸部で起きやすいとも言われていましたが、実際には山間部でも起きていますし、地形で必ずしも絞られるわけでもありません。
竜巻の発生予測はとても難しく、まずは、気象庁が発表する「雷注意報」や「竜巻注意情報」に注意することが、最初のポイントです。(竜巻注意情報は携帯・スマホでも見られます)
point2:竜巻が発生しやすい前触れ(空や天気の変化)を知ろう
- 白かった雲が急に黒くなる、まわりが急に暗くなる
- 雷が鳴ったり稲光が光ったりする
- 急に冷たい風が吹いてくる
- 大粒の雨やひょうが降ってくる
これらは竜巻が発生する前触れです。これらを感じたら「おかしい!」と思って避難を始めてください。
point3:安全な避難場所を知ろう1
【屋外にいたら】
- 学校、病院、その他なるべく頑丈な建物の中に避難しましょう。
- 物置や車庫、プレハブの建物の中などは危険です。
- 海や川遊びをしている人は簡単に飛ばされますのですぐに上り、建物に避難するように。
- 木や電柱につかまるのも、倒れてくる可能性があり危ないです。
【家にいたら】
- 雨戸を閉め、1階の、窓の少ない部屋に移動します。
- 窓ガラスは壊れる危険があるので、カーテンを閉め、
- なるべく窓から離れます。
- トイレやバスタブも避難場所として有効です。
point4:普段のチェック事項
- 身の回りのどこに避難するか家族で話し合いましょう
- 窓ガラスを、可能ならば圧着合わせガラスにする、もしくは飛散防止フィルムを貼る
- 竜巻注意情報についての関心を持つ
- 保険を確認する(竜巻による被害でも保険が適用されるかどうか)
竜巻は発生するとものすごいスピードで走ります。瞬時の判断が命を左右します。正しい知識を持って、竜巻が起きそうな時、いち早く安全な場所に避難できるようにしてください。
自分の命は自分で守る。そして小さなお子さまの命は、お父さんお母さんが守ってあげてください。
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