この記事は2017年4月に公開したものです。
ドリームスリーパーはその後2018年に価格を改定した後、2020年3月23日より、新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴い、運休しているとのことです。
運営元の中国バスの公式サイトを見ましたが、2023年7月現在、運行再開はしていないようでした。今後運行が再開されるかどうかは不明ですが、この記事はひとまずそのまま置いておくことにしておきます。
先日、久しぶりに東京から広島に夜行バスで帰りました。時間は12時間。いやぁくたびれました・・
・・と言いたいところですが、今回はちょっと違いました。
この4月1日から新しく運行を開始した高級夜行バス「ドリームスリーパー2」に乗ったんです!!
そもそもこれを知ったのは3月下旬、たまたま見ていたテレビのニュース番組でした。
「靴を脱いで乗る」「個室になっている」と、私が持っていた夜行バスのイメージと全く違う!
テレビで見るシートも個室の設備もなんだか素晴らしいぞ。
こりゃぁ乗らなくっちゃぁ〜〜 と思って、
ちょうど月末からしばらく、仕事とプライベートで東京・千葉に行く予定がありましたから、帰りはこれに乗ろう!と予約を取ったんです。
夜行バスには、20代30代の頃を中心にずいぶん乗りました。(ニューブリーズという路線です)
その時のバスは、座席が3列。値段が安いのが何よりのメリットですが、シートはすごくゆったりすると言うほどでもないし、周りの人も気になるし、とてもゆっくり寝られるものではありませんでした。
今回、値段も高いけど設備もすごくいいと言われる「ドリームスリーパー2」を体験して、いろいろ驚くことがありました。
これから乗ってみようかな、と思う方に向けて、私の乗車した感想を書いてみたいと思います。
まず、車内で動画を撮ってみましたのでよろしければご覧ください。(3分40秒ほど。翌朝です)
それではドリームスリーパーの概要、そして予約から実際の感想とお話ししていきます。
なお、座席の予約の方法と停留所については別記事に書きましたので、よろしければ併せてご覧ください。
→<『ドリームスリーパー2 広島東京便の予約方法は?停留所もご案内!』
ドリームスリーパー2の概要
座席11名、全て扉で個室
停留所
(東京側)
大崎西口バスターミナル → 東京ドームホテル前
(福山・広島側)
広尾 → 福山駅前 → 広島駅新幹線口 → 広島バスセンター → 中筋駅
ドリームスリーパー2 東京大崎のバスターミナル
当日。JR大崎西口には少し早め、夜8時ごろに着きました。
西口に出てすぐの通りを、地図を頼りに線路に平行に3、4分行くと、すぐにわかりました!
ホームで40分くらい待ったのですが、実はこの後、広島の通信社の女性記者さんにインタビューされてしまいました(笑)。
彼女も広島まで同じバスだということで、私は彼女の取材に協力し、逆に私もこのブログのために少しお聞きしたりしました。
ドリームスリーパー2に乗車した感想
ニュースでやっていましたが、まずは乗車のステップ途中で靴を脱いで上がるのに少々驚きました(笑)
中の風景も通常のバスとは全く異なります。
指定の場所に行き、どっしりした扉を開けると、中は約1畳くらいの個室。
中央にどんとシートがあり、窓もとても広いです(基本的に遮光カーテンが閉まっています)。
シートに座るとゆったりと包み込む感じでリラックスできます。質の良いブランケットもついています(約120×180cm)。
シートのリクライニングも、ボタン一つでかなりの角度でリクライニングして便利でした。フットレストも付いているので足も楽です。
ドアを閉めるとしっかりとした個室なので、他人を気にせず落ち着ける感覚はすごくあります。
プライバシーはかなり保たれる感じ。
乗務員の方は2人。お二人ともとても感じが良かったです。
それではもう少し細かく説明しますね。
個室全体の様子
先ほども書きましたが、ドアに鍵はかかりませんが、事実上の個室になります。室内でパジャマに着替えることだってできそうです。
ざっと測ったところ、幅約75cm、奥行約155cm、高さ185cmくらい。他人を気にすることがなく、くつろげてイイ感じです。脇のボード始め全体が、赤茶系の落ち着いた色、鏡面仕上げで高級感があります。
鏡面仕上げは美しいのですが、ツルツル滑るので、置いたものが揺れて落ちやすいとは思いました。(>_<) 缶コーヒー、スマホ等手元のものを、近くに、安心しておけるトレイか小物入れのようなものがあればいいなと思いました。 さらに、手近に週間誌を入れられるポケットのようなものがあると、なお良いのにと思いました。 物入れといえば、座席の上、天井の一部が比較的大きな物入れになっていて、手荷物などが置けます。これは便利でした!
シート
先ほども書きましたが。シートは厚手の布で一見して高級なイメージです。実際とても心地よいです。
フットレストも付いていて座るのが楽です。左手にシートの電動スイッチがあり、それを使って角度を自由に変えられますので、本を読んだり軽食にも快適。
さらに、ボタンを1回押すだけで最もフラットな状態になり、もう1回押すと元の位置に戻る、というボタンもあり、これは大変便利でした。
あえて不満な点を挙げるなら、最大に寝た状態で足先が正面の壁にぶつかってしまうのはちょっと残念でした。
枕は手で位置を上下させて自分に合わせることができるのでいいですね。
最初、着ていたセーターを脱いで寝ていたのですが、途中で着直しました。
車内は適温ですが、4月でも明け方は窓が少し寒い感じでした。
ライト
ライトは前上方と座席上にあり、調光できます。最大でも本がギリギリ読めるかなという程度ですが、読めなくもありません。ライトを消せばしっかり暗いです。振動はありますが、誰でもそこそこ眠れるのでは、と思います。
テーブル
席の前方に折りたたみ式のテーブルがあります。大きさは実際に使える面のサイズが幅約30cm×奥行約40cmくらいです。
あまり使いませんでしたが、ノートパソコンを置いて仕事ができる感じです。
空気清浄機
各室に空気清浄機がついていて、コントロールできるのはグッドですね。
ただ、その音が小さいが常に聞こえているので・・・気になる人は気になるかもしれません。
Wi-Fi・電源コンセント・USBの端子
無料のWi-Fiが使えるのでとても便利です。通常の電源コンセントもありますので、スマホやパソコンの充電もOK。USB端子もあります。
アメニティグッズ
アメニティグッズが置いてあって、持って帰っても良いというお話でしたので持ち帰らせてもらいました。
中身は、スリープマスク、歯ブラシ、耳栓、ウエットタオル、マスクの5点。
ミネラルウォーターもついており、飲めます。
スリッパとヘッドフォン、ブランケットは貸し出しだけで、持ち帰れません。
トイレ、パウダールーム
トイレはとてもきれいです。もちろん温水洗浄機能つき。
トイレのドアの鍵をしっかり90度回転させてロックさせないと、手洗いのお水が出ません。焦りました(笑)
また、女性の方にはパウダールームがしっかり独立して作られているのもいいですね。
大きな鏡があり、半畳くらいのスペースがあります。
あと、朝シャワー派の私としては、シャワーが浴びられたら最高ですが、さすがにそこまでは無理ですね。
乗っている人数がわからないのですが、トイレ、パウダールームはいつでも使える状態でした。
仮に満席だったとしても11名ですから、トイレやパウダールームが混む心配はほとんどないと思います。
セキュリティ
天井に緊急SOSボタンがあり、万一気分が悪くなったり、トラブル等があった時は乗務員に知らせることができる。
また、入退室を確認するためのセキュリティカメラを設置(プライバシー保護のため、人が座った状態では映らないとのこと)
セキュリティについては、ドアに鍵がかからないのですから、特に女性の方など不安はないものかと気になりました。
冒頭に書きましたが、通信社の女性記者さんがいらっしゃって話ができたので、そのことを逆取材してみました。
彼女は「安全面で心配はしなかったですよ」とおっしゃってました。もし仮に暴漢が入ってきたりしたとして、その時にはセキュリティカメラが作動して乗務員さんに知らせる形になるそうです。彼女はそういうことも知っていたので安心していたそうです。
バスが発車して少しした頃、乗務員の方が来て、ざっとした使い方の説明をしてくださいました。
「スマホの充電器の貸し出しもできますが」と言ってもらいました。私は持っていましたが、無い方にはいいサービスですね。
全ての意味で、私の知っている従来の夜行バスとは雲泥だとは思いました。
想像以上に広いし、ゆったりできます。
ただ、バスゆえに、どうしても地面からの振動や揺れは多いです。
こういう振動がダメな人はやはりダメかもしれません。私はまずまず良く寝られました。
個室とはいえ、車内での電話は禁止です。でも好きな時に周囲を気にせず起きたり寝たり、飲食したり、ライトを明るくしたりできるのは精神的にすごく楽でした。
乗車されている乗務員の方は2名。
何度かパーキングエリアで交代されている模様です。この辺は通常の便と同じですね。
客は最大11名ですが、何人が乗っているのか、どんな人が乗っているのか全くわからないのは不思議な感覚。
私が把握しているのは、お話をした女性記者の方と、もう一人、男性の方だけ。
おそらく他にもいらしたと思うけどわからない。ふと、ちょっと怖いような気もしました。
約12時間と長いので、飲み物、軽食、本などをしっかり準備した方がいいと思います。
飲み物はいろいろ多めに持ち込みましたが、広島に着くまでに大かたなくなりました。
途中2.3回目が覚めましたが、思ったよりよく眠れました。
椅子の材質やクッション性、角度などがとても良いので、朝、身体が痛い、しんどさが残るというのは全くなかったです。
その点は。従来の夜行バスは正直寝づらかったので、大きな違いを感じます。
今回、運行開始記念ということで、お土産までもらいました。(これはいつまでもらえるのかわかりません・・)
ドリームスリーパー2と新幹線を比較して、どう考える?
ドリームスリーパー2は非常に豪華で、画期的な長距離バスだと思います。
しかしながら、23,500円という料金は、正直かなりお高いです。
現在、新幹線の東京ー広島が、特急券と乗車券で19,000円余りなのを考えたら
4,000円以上高く、ほぼ、カプセルホテルが1泊利用できる金額に相当します。
※ドリームスリーパー2は大崎西バスターミナルから広島バスセンター
ニューブリーズは広島バスセンターから東京駅日本橋口
新幹線は広島駅から東京駅まで
新幹線の料金は、片道・指定席の正規料金(往復割引を入れるともっと安くなります)
ドリームスリーパー2、どんな人にオススメ?
新幹線との料金の差が約4500円。曜日や時期にもよりますが、ビジネスホテル代が5,000円〜7,000円程度、カプセルホテルだと3,000円〜4,000円くらいかと思います。とすれば、新幹線で前日に入ってカプセルホテルで1泊するのと、ドリームスリーパー2と、ほぼ同額です。
となると、どちらが良いか迷いますね。
一つのポイントは、前日の夕方から夜をどのくらい使いたいか です。
新幹線で前入りするのであれば東京駅を19時50分が最終です。ドリームスリーパー2では、大崎駅西口バスターミナル21時50分発ですから、新幹線の最終便と2時間違い。この2時間で仕事やその他いろんな用事を済ませることが可能です。また翌朝もバスを降りてすぐに活動できますから、全体ではかなり時間をみっちり有効できると言えます。
この辺をどう考えるか、でしょうね。
あまり時間がゆっくり取れない観光客やビジネスマンの人が、精一杯時間を有効利用しようと思うなら、このバスは適切だ、と思います。
ちなみに従来の夜行バス(ニューブリーズ)も悪くはありませんが、正直、くたびれますし、他の人の目もなんとなく気になります。
なんてったって安いのは魅力ですし、特に学生さんとか若い方・体力のある方に良いのではと思います。
まとめ
今回、ドリームスリーパー2に乗ってみて、一言で言えば大変快適でした。
バスということで、どうしても揺れや地面からの振動はある程度あるのですが、シートの心地よさ、プライバシーが守られる点、全体の高級感など非常に高得点だと思います。備品やサービスも最高ランクです。
欠点を言えば、やはり価格でしょう。新幹線より4,000円高いというのがどうしてもネックになるでしょう。せめて新幹線と同額程度ならなぁ・・とすごく思います。
あとは文中でも書きましたが、前日の夕方以降もしっかり使えるというのはメリットだと思います。「眠っている間に目的地まで着く」というのは素晴らしいことですが、しっかり眠れるかどうかはその人による、ということもお伝えしておかなくてはいけません。
とは言え、こういう素晴らしいバスを運行決定された中国バスさんは心から応援したい気持ちです。
ぜひまた乗ってみたいと思います。
またはインターネット予約 http://www.j-bus.co.jp(発車オーライネット)
ドリームスリーパーの座席の予約の方法と停留所については別記事に書きましたので、よろしければ併せてご覧ください。
コメント