前触れもなく突然息苦しさを感じる。それに気がついて恐ろしくなる。
じわっと脂汗がでてくる。心臓がばくばく高鳴ってくる。・・・過換気症候群の症状です。
私はこれまで時々そんな症状に襲われ、このまま窒息して死んでしまうのではないかと思ってきました。
私の体験談を通じ、過換気症候群は怖いけど、でも大丈夫、ちゃんと対処もできるんだということをぜひ知ってほしいです。
過換気症候群と過呼吸に違いはあるの?
タイトルにもした「違いはあるの?」ですが、結論を言いますと、病院のサイトなどを調べたところ過換気症候群と過呼吸は同じ症状ということで、同じ病気として扱っているところがほとんどでした。
ただ、激しいスポーツの後に起きるのが過呼吸、心の病気として起こるのが過換気症候群としているところもありました。
「ほぼ同じ病気。ただ、発症のきっかけによりそういう分類をすることもある」ということでいいと思います。
それでは、私のこれまでの過呼吸体験をお話しします。
私の過換気症候群(過呼吸)体験
20年以上前、電車の中で経験した初めての恐怖
私が初めてそれを経験したのは、30代前半、会社から帰る電車の中でした。私は座って本を読んでいたのですが、突然なにか喉の奥に栓でもしたかのように息が吸いにくくなりました。
最初何が起きたのかわかりませんでしたが、なんていうか・・息をしようとしても空気が入ってこない息苦しさなんです。
健康には自信がありましたし、初めての経験でとにかく驚き、焦りました。
(え??? いったいなんなんだ)
(どうしよう、どうしよう なにが起きたんだ・・)
額に脂汗がにじみます。手にもべっとりすごい汗をかきました。胸がドキドキと早鐘のごとく激しく打ちます。手が震えてきます。
(死んじゃうんだろうか・・・)(とにかく次の駅で降りたい・・・)
頭は混乱していました。
そして次の駅に着くまでの長い時間・・・いや、実際はわずか数分だったと思いますが、パニック状態でした。
ですが・・・ふと気づくと息苦しさは治まり、普通に呼吸が戻っていました。
もしや心臓か肺に大きな問題が起きたのではと思った私は、翌日すぐに、循環器科の診察を受けました。
私の話を聞くと、医師は、ちょっと笑って
「その時電車で何をされていましたか?」と訊きました。
何を訊くんだと一瞬ムッとしましたが、
「本を読んでいました」
「何の本ですか」
「え?・・ケネディ暗殺の秘密の本でした」
「面白かったですか?」
「え? はい・・・(なんだよー)」
「それが原因ですよ」
「・・・えっ?」
医師の診断は、「過換気症候群」。
ということらしくて・・・
これは器質的なものではなく、心身症の一種なのですね。
大丈夫だから、気にしないように、と言われて終わりました。幸いその後は、長い間そういう症状は出ませんでした。
それから20年・・再び起きた過呼吸
それからは長い間、そういうことは全くありませんでした。でも最近、また似たようなことが起きました。
普通に仕事をしていたのですが、なぜか急に息が苦しくなり・・・ その後は20年前と一緒です。
どうしようどうしようと、パニックになり、脂汗がじっとわいてきて、手が震えてきました。
ただ、前と違うのは、精神的なものだとわかっているので大きな問題ではないと思えたのと、自分でできる処置を知っていたこと・・・
私の場合、ハンカチやタオルで軽く口を塞ぎ、そのすき間から息をするようにすると楽になります。
横になって楽な状態でしばらくそれを続けることで、10分ほどで無事元に戻りました。
いわゆる「パニック障害」とも言えるような症状かもしれません。
過呼吸の原因は?
過呼吸(過換気症候群)は
- パニック障害やうつ病
- 精神的な不安や不満、ストレス
- 運動の直後
などが直接の引き金になり
- ものごとに熱中しやすい人
- 不安を抱きやすい性格の人
- 女性
に多いと言われています。
私は男性ですし、特に不安を抱きやすいとか、強いストレスがあるわけでもないと思います。
なぜ自分にそんな症状が起きたのかよくわかりません。
実際、過呼吸は医学的にまだまだ解明されていないところが多いそうですね。
過呼吸になった時の対処!どうするのがいい?
過呼吸になると、どうしても強烈な恐怖心がわきあがってきます。
恐怖で手足が震え、脂汗がにじみます。・・・これは私もよくわかります。
まず、この病気は
心臓や肺の問題ではなく、心の問題だということ
決してこれで死ぬことはないということ
少しすれば必ず治まってくるということ
この3つををしっかり頭に入れておくことがなにより重要です。
過呼吸で死んだ人はいないのです。じきに治まるんです。
そのわずかな時を過ぎれば大丈夫なんです。
それは、強く信じておきましょう。パニックになればなるだけ、よけいに苦しくなります。
実際にやることといえば、私は、タオルで口を塞ぐことをしています。
- タオルまたはハンカチ、それもなければ手で口を押さえます。
↓
- タオルの繊維を通して、鼻からゆっくり吸います。
↓
- そして口を思い切りすぼめ、ゆっくり吐きます。
↓
- 深呼吸をしようとは思わない方がいいです。普通の呼吸をこういう形で落ち着いて繰りかえしましょう。
袋をかぶるのは危険!
昔は「ぺーパーバッグ法」といって、紙袋をぴったりと鼻と口に当てて、吐いた自分の息をそのまままた吸うという方法が推奨されていました。
しかしその後、それは危険な場合があるということで現在は否定されていますので、これはやらないようにしてください。
過呼吸発作が繰りかえされる場合
私もそうですが、何年も何事もなかったのに、ある日突然また過呼吸が起き、それからしばしば起こるようになることがあります。
「気にしないようにする」というのが一つの良い方法なのですが、気にならないわけがありませんね。
そういう時は、当たり前ですがやはり病院に行くのがいいと思います。医師としっかり話をして、正しい知識を身につけるのは、自信と安心感を得る最高の方法です。
あと、割合としては少ないですが、脳や肺、心臓、その他の原因ということもなくはないですから、そういう意味でも一度診ていただくのがいいと思います。
過呼吸の受診は、心療内科が最も適しています。近場に心療内科がなければ、普通の内科や呼吸器科でも診ていただけます。
自分の性格や生活に問題があると感じたら、なるべくそれを見直すことも、もちろん大事で効果的です。性格は簡単には変わりませんが、生活リズムをゆったりさせるとか、ストレスをなるべく溜めないなどということはできます。
そして過呼吸が襲ってくる時に何か共通したパターンがないかも考えましょう。
それがあれば早く対処することができます。ちょっと危なそうだったら少し気分を変えるとか。
過呼吸になってしまった後の対処法・・・私の「タオル法」のような、自分なりの方法をみつけておけば安心です。
大丈夫!過呼吸なんて怖くない!! p(^^)q
この記事を書いたのはちょうど4年前、2014年の7月です。その後一時期、過呼吸が頻発するようになり、半年ほど心療内科に通院しました。
診断はやはり「パニック障害」ということでした。いわゆる「予期不安」もあり、しんどい時期でしたが、投薬を受け、半年ほど通院することで改善しました。今はほとんど起きることはなくなりました。
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